ミッドナイトスワン(2020)

スティーヴン・ダルドリーの「リトル・ダンサー」(2000)

通じるものを感じますが、こちらのほうが盛り過ぎ(笑)

 

スポーツクラブやジム界隈では

インストラクターだったり、通っていたりする

ゲイとかトランスジェンダーの方が結構いて

外国人を見かけるくらい珍しくない

こういう差別発言とかって(しかもいきなり殴ったりするか?)

ずいぶん昔の話のような気がしますね

監督自身がトランスジェンダー

昭和的な目線で見ているとか思えない

それより、どんな事情があるにせよ

新宿3丁目で暮らす40歳の独身男に

中学生の女の子を預けることのほうが

普通じゃない気がします(笑)

ヒロインが急にヤンキーになったり

女性になりたくて手術したのに

ケアも治療もしない意味もわからない

ツッコみどころ満載でしたが

(そんなふうにしか見れない私が捻くれているだけなんですけど 笑)

草彅剛さんの渾身の役作りが高い評価を得たということ

華奢だし顔立ちが優しいので女装がよく似合いますね

映画初出演というヒロインを演じた服部樹咲さんも

プリマバレリーナを目指す少女を見事に演じ切っていたと思います

新宿のニューハーフクラブ

白鳥の湖のショーをしているトランスジェンダーの凪沙=なぎさ(草彅剛)は

性別適合手術をするため女性ホルモン注射の治療中

故郷の広島では、凪沙の従妹でキャバクラ嬢の早織(水川あさみ)が

勤め先で酔いつぶれては、ひとり娘で中学生の一果=いちか(服部樹咲)に

店まで迎えに来てもらいます

暴言を吐き、暴力を振るう母親に

一果は自分の腕を強く噛んで(ストレスによる自傷)耐えていました

凪沙の母親は、早織が立ち直るまで一果を預かってほしいと凪沙に頼みます

「子どもは嫌い」と言いながら(養育費目当てで)一果を引き受ける凪沙

 

叔父さんだと渡されたスーツ姿の写真の男性が、まさかのニューハーフ

転校先では男子から凪沙のことをからかわれ、椅子を投げて早速暴力沙汰

そんな学校の帰り道、偶然通りかかったバレエ教室で足を止めます

一果はバレエに興味があり、その気持ちを抑えることができませんでした

講師の実花(真飛聖)にパンフレットを渡され

体験に来た一果に、お古のバレエシューズを差し出すりん(上野鈴華

偶然にもりんは一果と同じ中学の同学年でお金がないという一果に
りんは練用のレオタードを譲ります

さらに高収入の撮影会のモデルの仕事も紹介

りんの母親(佐藤江梨子)がまた絵にかいたような馬鹿で

りんが一流のバレリーナになれると信じている

りんが隠れて不良しているのは、そんな母親への反抗もあるのでしょうね

だけどメキメキとバレエが上達してきた一果にりんは嫉妬

りんは発表会の衣装を用意するのにはお金が必要だから

撮影会で個別モデルをすればもっとバイト代が稼げると一果に薦めます

それはカメラマンの要求に応えて、水着姿やセクシーポーズをすること

一果はカメラマンに(またもや)椅子を投げ、警察沙汰になってしまいます

りんの母親は、りんがモデルをしていたのは一果から誘われたのだと決めつけ

一果に「ごめん」と謝るりん

アンタが最初反対していた個別撮影に誘わなければ良かっただけの話だから

そこではじめて凪沙は一果がバレエを習っていることを知るんですね

実花先生から「一果ちゃんには才能がある」と言われ

さらに「お母さん」と間違わられまんざらでもない

 

就職することを決め面接にいくものの

LGBTを流行りだと言う面接官にウンザリ

男の格好に戻ると、今度は一果が「頼んでいない!」と不機嫌

実際倉庫係として働き始めるも、大きな荷物は持ち運べないし

男同士のコミュニケーションには「いゃあ~ん」

パブの同僚だった瑞貴の紹介でゲイ専門の風俗で働こうとするにも

結局逃げ出してしまう

りんは足の怪我の後遺症のせいで

医者からバレエを諦めるしかないと宣言されショック

さらに母親から「この子からバレエを取ったら何も残らない」と

追い打ちをかけられてしまいます

一果にキスしてとねだるりん

それに応える一果

一果の初めての発表会の日

りんの家では結婚披露パーティーが行われていました

踊り出したりんと一果と演技がリンクする

そのまま白鳥となり飛び跳ねたりんは、屋上の柵を越え落下します

次の舞台で座席にりんの姿(亡霊)を見た一果は演技ができなくなってしまい

ステージに駆け上がり一果を抱きしめたのは

一果を迎えに来た母親の早織でした

一果が広島に帰ってしまうと

一果の本当の母親になりたいと願った凪沙は

タイで手術することを決意します

そうして一果を迎えに行きますが

早織の彼氏?と 揉み合った末、突き飛ばされ凪沙の胸元が露わになると

それを見た早織が「このバケモノが!」と罵り

凪沙の母親(根岸季衣)は気が狂ったように泣き叫びます

小さな胸を隠し、逃げるように去っていく凪沙

 

中学を卒業した一果は新宿の凪沙のアパートに向かいます

だけどそこはゴミだらけで、目も見えずオムツ姿で

ボランティアによる介護を待つ凪沙が寝ていました

(健康保険に加入していなかった、ってこと?)

ボランティアに対してこの言葉遣いはないよな(笑)

部屋を掃除し、凪沙の得意料理だった生姜焼き

(ハニージンジャーソテー)を作る一果に

「海に連れて行って」と頼む凪沙

(「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(1997)か!)

 

一果は海岸で海外留学の奨学金がもらえたことを報告し

踊る一果に何度も「綺麗、綺麗」と呟く凪沙

その姿は見えていないのに

凪沙が息を引き取り、一果は海に入り沖に向かっていく

一果も自殺するのか?と思ったら生きていて(笑)

日本を旅だってから、どれくらい月日が経ったのかはわかりませんが

有名なコンクールか何か?でオデットを披露したのでした

 

 

【解説】映画.COMより

草なぎ剛演じるトランスジェンダーの主人公と親の愛情を知らない少女の擬似親子的な愛の姿を描いた、「下衆の愛」の内田英治監督オリジナル脚本によるドラマ。故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立つ、トランスジェンダーの凪沙。ある日、凪沙は養育費目当てで、少女・一果を預かることになる。常に社会の片隅に追いやられてきた凪沙、実の親の育児放棄によって孤独の中で生きてきた一果。そんな2人にかつてなかった感情が芽生え始める。草なぎが主人公・凪沙役を、オーディションで抜擢された新人の服部樹咲が一果役を演じるほか、水川あさみ真飛聖田口トモロヲらが共演。第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞し、草なぎも最優秀主演男優賞を受賞した。

2020年製作/124分/G/日本
配給:キノフィルムズ