「光の加減でイケメンに見える」
原題は「What's New，Pussycat? 」（プッシーキャット、最新情報は？）
ご存じpussyは女性器を表す意味で
Pussycatとは男性が狙っている女の子を示すスラングだそうです
男性のセックス依存症のコメディ映画を企画していた
ウォーレン・ベイティが（なんだかんだで降板）
当時女性に使っていた挨拶が「What's New，Pussycat? 」
（今だったらセクハラですが 笑）
で、ニューヨークのクラブで当時コメディアンだった
ウディ・アレンのパフォーマンスを見たプロデューサーがウディに脚本を依頼し
ウディは映画に出演することを条件に承諾します
いわばウディの映画デビュー作
しかしセラーズ、オトゥールのＷピーターと
監督のクライヴ・ドナーの3人が
ウディの許可なしに脚本を大幅に変更したせいで
ひとつひとつのシーンやセリフは楽しいのに
まとまりがなく、バラバラでつぎはぎな内容になってしまいます
脚本を台無しにされたウディの
以後、自らが監督するきっかけとなったそうです
逆にこの経験が名匠を生み出したのかも知れませんね
ファッション雑誌の編集長マイケル（ピーター・オトゥール）は
モテすぎるため女性の名前を覚えられず
すべての女性を「子猫ちゃん」と呼んでいました
浮気性のため婚約者のキャロル（ロミー・シュナイダー）との結婚に
踏み切れません
精神科医のファスベンター教授（ピーター・セラーズ）に相談すると
教授はマイケルを羨ましく思い
自分もプレイボーイを目指すようになります
オープニングはバカラックの素敵音楽と、お洒落なアニメ
ピーター・オルトゥールのイギリス映画らしい完璧な着こなし
着崩したスーツ、似合いすぎるハンチング
靴はもちろん、靴下の柄までのこだわり
長身に長い手足、美しい手の形、綺麗な指に挟まれたタバコ
これでモテないわけがない
そして彼氏の浮気をぷんぷん怒るロミーのキュートさよ
シャワーキャップを被る、掃除をする、本で殴る
なにを着ても、なにをやっても可愛い
そんなロミーに恋しているのがマイケルの友人で
ストリップ・クラブの裏方をしているヴィクター（ウディ・アレン）
ウディな「ユダヤ人ネタ」もすでに炸裂（笑）
登場して早々、第四の壁（俳優と観客を隔てる架空の壁）を崩し
作者の見解的なセリフもあります
ピーター・セラーズはフェリーニの「82/1」のグイドもどきの登場
奥さんもフェリーニの映画に出てきそうな豊満な体系
英会話教室で生徒達が痴話喧嘩の台詞を復唱するシーンが面白い
しかも名前がファスビンダー（笑）
（当時の新鋭監督たちの憧れだったドイツ人監督）
ルネ（キャプシーヌ）という女性に熱をあげるようになります
キャプシーヌはフランスのファッションモデル出身で
ロミーとはまた違った魅力の、優雅な存在感をもつ正統派美人
マイケルと仲直りしようとしたキャロルが彼のアパートを訪ねると
そこにはマイケルの浮気相手のルネとリズ（ポーラ・プレンティス）
さらにキャロルの両親までやってきます
こんなてんやわんや、もうこりごりだと結婚を決意するマイケル
しかし結婚式にマイケルをとりまく女たちが大集合
ヴァイキング姿の教授の妻や、警察まで介入し大騒ぎ
みんなでゴーカートに乗って、警察から逃げることにします
マリオカートみたいで、全員楽しそうなんですけど（笑）
で結局は、男の浮気は治療できないというお話でした
【解説】映画.COMより
コメディアンで、この映画にも出演するウディ・アレンのシナリオをクライヴ・ドナーが監督したセクシー・コメディ。撮影はジャン・バダル、音楽はバート・バカラックが担当した。出演は「ロード・ジム」のピーター・オトゥール、「マリアンの友だち」のピーター・セラーズ、ウディ・アレン、「ピンクの豹」のキャプシーヌ、「007は殺しの番号」のウルスラ・アンドレス、「ちょっとご主人貸して」のロミー・シュナイダー、「マリアンの友だち」のポーラ・プレンティスほか。製作はチャールズ・Ｋ・フェルドマン。
1965年製作／イギリス
原題：What's New Pussycat
配給：UA
