原題は「CRISIS IN SIX SCENES」 (6つの場面での危機)
ウディ・アレン監督、脚本、主演で手掛けた
初めての(約23分×6話完結)TVコメディ
批評家からは「重い」「面白くない」「話が離脱している」と酷評
ウディ自身も「何故こんなことになったのか分からないし
引き受けたことを後悔してる
映画を6回に分けた要領と思ってたけど、全然違うと痛感した
宇宙中に恥をさらすことになったよ」
とコメントしたそうですが
仰せの通り、ひとつの映画をただ6つに分けただけ(笑)
ウディ作品の中で、際立った秀作ではありませんが
そこまで駄作でもない
ただ、アメリカのリベラル派のご婦人たちが
アメリカの大衆が受け入れるのは(中国に対する黄禍論もあるし)
難しいかも知れない
しかも今やウディは「#Metoo運動」の象徴みたいにされている
でも作品を見れば分かる通り
決して共産主義や、毛沢東や、革命家を推奨しているわけではなく
セックスをバカにしているわけでもなく
国や主義思想も、夫婦や男女の関係も
己を知るためには、まず相手を知ることが重要
というのが本来のメッセージ
そんなことも理解できない、知性も寛容さもない
そんな映画評論家なら、やめちまえ
主人公は毎度お馴染み、クドくて屁理屈ばかりのウディ爺
小説家を諦め、そこそこ売れているコピーライター
(セックスレス問題の)カウンセラーの妻のケイ(エレイン・メイ)と
平穏な生活を送っていました
その家に、突然レニー・デイル(マイリー・サイラス)という
若い女性が匿ってほしいとやってきます
レニーはケイが幼い時に世話になった知り合いの娘で
今は共産主義の革命家で指名手配中でした
ウディは、レニーを匿ったら
自分も犯罪者だ共謀罪だと不安でしょうがない
しかもレニーはウディの好物の食事やおやつを全部平らげてしまう
しかも自分だって食ってばかりいるくせに
「世界中には飢えている人間が大勢いる」とか
偉そうに説教してくる
ケイや、結婚を控えているアレンに「毛沢東語録」を勧め
ケイの読書会のおばさま達まで、毛沢東の言葉や革命のとりこ(笑)
アレンはレニーの生きかたに憧れ、レニーに夢中になっていきます
しかもケイは、レニーをキューバに逃亡させるため協力
アレンは革命のため爆弾を作ろうとして失敗、大怪我
ウディの家には、アレンとアレンの怪我を心配してやってきた両親
アレンの婚約者とその両親
婚約者はアレンに妊娠したことを告白
2組のカップルはケイにセックスのお悩みを相談
読書会のおばさま達は、ブラックパンサーの登場に大興奮
このドタバタを収めるには、一刻も早くレニーを追い出すこと
爺はレニーをキューバ行きの飛行機に乗せるため
車で飛行場まで送ることにします
ところがスピード違反で、パトロール警官に捕まってしまう
しかし警官は、ウディを「ライ麦畑・・」のサリンジャーと勘違いし
ファンなんだと違反を見逃し、サインをねだります
その隙にトランクから逃げ出したレニー
その夜ウディは、何もなかったようにベッドに横たわり
「今からでもボクは、サリンジャーみたいな小説を書けるかな」と
ケイに呟いたのでした
(どうしてみんなサリンジャーになりたがるのかな)
まあ、ドラマ向きではないことは確か(笑)
普通に映画として配信したほうがよかったでしょう
結局amazonも世論に負けてウディを裏切るのだけど
配信まで止めないのはありがたい
作品に罪はないし
だいいち、ウディが有罪判決を受けたわけでもないのだから
【解説】シネマカフェより
1960年代後半。ニューヨーク郊外の一軒家に住むJ・S・マンシンガーはコピーライターとして成功を収め、かつて小説がベストセラーになったこともある。妻のケイは精神科医で毎週木曜日に近所の主婦を集めてブッククラブを開いてる。ある夜、ケイが幼少時に世話になった家の娘レニーが逃げ込んできた。レニーは世間を騒がせている合衆国憲法解放軍の闘士で、指名手配犯なのだ。ケイは彼女を匿おうとするが、夫のマンシガーは大反対。結局同意を得られないまま、ケイは彼女を家に住まわすことにした。ところが、一家に下宿している銀行家の息子アランがレニーに感化されてしまい大問題へ。爆弾製造を始めた上に、せっかく決まった婚約も取りやめようとする始末…