教授のおかしな妄想殺人(2015)



「哲学は言葉による自慰」

原題は「IrrationalMan」(理不尽/不合理な男)


批評家の意見の要約は「ホアキン・フェニックスの熱狂的なファンや、ウディ・アレン映画のマニアには好評を博すだろう。しかし、そうではない人々には受けない映画だろう」

まったくその通り(笑)


ウディ・アレンって、このお年になっても哲学を語ったり

こんなに簡単に人間が死ぬ脚本が書けるんだから凄い




主人公は腹の出たアルコール依存症と鬱気味の大学の哲学教授

エイブ(ホアキン・フェニックス

でもときどき、たまらなくかっこよく見えるから不思議

そして、こういう博学そうなインテリタイプに弱い女性って多いのよね


エイブの授業を受ける女子大生ジル(エマ・ストーン)も

同じ大学の教授であるリタも、エイブと話をするうちに

彼のわけわかんない世界観にどんどん惹かれていきます




だけどエイブは全く女性に興味がない

アッチのほうも全く役に立たない


そんなある日、悪徳判事の殺人計画を思いつきます

その日からエイブは生きる喜びと意味を見つけます


人生に目的があると、考えや人柄までも変わってしまう

しかも彼は哲学者なので(笑)

普通の人間の感情とはちょっと違う

全くというほど「心」がありません(笑)

完全犯罪を成功させます




しかし、エイブが犯人だと知ってしまったジル

はじめは正義の殺人ということで、ふたりの秘密にしておくつもりが

無実の罪で逮捕された人間がいることに良心が耐えられなり

自首しなければ通報するというのです


可愛いかったジルが邪魔になってくる

エイブは次の完全犯罪を計画します




「マッチポイント」(2005)の逆バージョンですが

「マッチポイント」が傑作なだけに、がっかり感はあります(笑)

エマ・ストーンも悪くないけれど、アレンとは合わない気がします

もう少し壊れた感が欲しかった


最後には教授が何度も繰り返し教えて来た「直感を信じろ」の言葉と

小さな懐中電灯が効いています


ところですり替えられたジュースには

教授の指紋は付いてなかったのかな(笑)


良くも悪くも、いつものアレン映画

アレン・ファンなら好きだと思います




【解説】allcinemaより

ミッドナイト・イン・パリ」「マジック・イン・ムーンライト」のウディ・アレン監督がホアキン・フェニックスエマ・ストーンを主演に迎えて贈る不条理シニカル・コメディ。世の中のための殺人に生きる意味を見出し鬱から脱した哲学教授と、彼に恋する2人の女性が織りなす皮肉な運命をコミカルに綴る。共演はパーカー・ポージー、ジェイミー・ブラックリー。
 アメリカ東部ロードアイランド州ニューポート。この小さな海辺の町の大学に赴任してきた哲学教授のエイブは、“人生は無意味である”との哲学的答えに至ってしまい、すべてのことに無気力となってしまっていた。ところが、そんな悩める中年男に、教え子の優等生ジルは興味津々。さらに夫婦生活に問題を抱える同僚リタからも猛アプローチを受けるが、彼の心は沈んだまま。そんなある日、ジルと立ち寄ったダイナーで悪徳判事の噂を耳にするエイブ。その時、彼の脳裏にある完全犯罪への挑戦という企てがひらめく。以来、生きる意味が見つかったことで、見違えるように気力を取り戻したエイブ。その急変ぶりに戸惑いつつも、ますます彼の虜になっていくジルだったが…。