原作はジョン・ル・カレのスパイ小説の金字塔
「裏切りのサーカス」も良かったので
ル・カレの地味な作風は、私とは相性がいいようです
最初はリチャード・バートンのあまりの不愛想さに
「リズは彼のどこが好きになったのかしら?」なんて
映画の内容とは関係ない邪念が入り
「クレオパトラ」や「いそしぎ」のシーンが
勝手に頭に浮かんでは消えてしまいました(笑)
この作品のヒロインも
主人公のどこにそこまで惚れたのかが
あまり伝わらなかったですね
しかし、後半からはグッと引き込まれます
東独の保安司令官ムントを失脚させる計画のため
英国情報部員リーマス(バートン)は
情報部をクビにされた様に装い東ドイツに潜入し
図書館の職員として働きはじめます
ムントを陥れることに成功するその直前
共産党員である恋人の出現で事態は一転します
二重三重の思惑
誰が敵で、誰が味方なのか
陥れたつもりが、陥れられ、また陥れる
そしてこの感情の一切なかった冷酷なスパイが
まさか女のためにベルリンの壁を越えないとは
愛のために自らが捨て駒になるとは
「The Cold(寒い国)」とは、冷戦、分断されたドイツ
そして非道なスパイ活動そのものを指しているのでしょう
ただ、バートンが私にとってあまり魅力的でなかった
惜しくもお気に入りにはならず、でした
【解説】allcinemaより