夏の庭 The Friends(1994)




「死んだ人、見たことあるか」
「死んだらどうなるんだろ」


どこの地域にもありますよね
かっては立派な家に、広い庭だったのかも知れません
それが今では草木がぼうぼう
植木鉢やゴミが散乱して野良猫の棲み処
人が住んでいるのか、いないのか・・・

子どもにとっては、お化け屋敷のように
怖いけれど、ちょっと興味のある場所

小学6年の木山、でぶの山下、メガネの河辺の仲良し3人組は
そんな家に住む、死にそうだという噂のおじいちゃんの
死ぬところを発見しようと、毎日見張りをするようになります

なんて不謹慎な、と思いましたが
この子たちには、それぞれ家庭に事情があるのですね
おじいちゃんも、最初は追い払っていたものの打ち解けてきます
だんだんと、おじいちゃんの家が居場所になってくる

「結婚したことある?」「戦争に行ったことはある?」
おじいちゃんの戦争体験を聞いた3人は
おじいちゃんの奥さんを探そうとします
それは、偶然にも担任の先生のおばあちゃんでした


(ここから、勝手に物語を作っています)
こんな近所に生き別れた奥さんが住んでいるのは
おじいちゃんは奥さんの存在を知っていて近くに家を建てたのかも
再び一緒に暮らそうとしたのかも知れません

しかし、いくら戦争の後遺症とはいえ
一度は妻と子どもから逃げてしまった自分
再会する勇気がなかったのです

そしてこんな小うるさい男の子3人を受け入れたこと
それは、自分の子どもや孫とできなかった交流をしたかった
そして、自分の死を予期していたのではないでしょうか
(妄想終了)


いつのまにか、大好きになっていたおじいちゃん
ある日、突然死んでいました


お葬式で別れたボケてしまったおばあちゃんが
「お帰りなさいませ」と指をつくシーンは
昔の軍人の妻的なイメージを感じましたね

そしてあっというまに朽ちていく家
このラストは逸品、持ち主の死を実感します

まあまあ良かったと思います
自分の作った物語が(笑)


【解説】allcinemaより
台風クラブ」「お引越し」の相米慎二が、湯本香樹実の同名児童小説を映画化したキッズ・ムービー。ワンパクざかりの男の子3人と老人との交流を描いた作品。神戸に住む小学6年生のサッカー仲間、木山諄、河辺、山下の3人は、人が死んだらどうなるかに興味を抱き、きっともうじき死にそうな近所に住む変わり者の老人・傳法喜八を観察することに。初めは子どもたちを邪険に追い払う喜八だったが、次第に優しく接するようになり、彼らとの交流が始まった……。