
原題は「Melania」
2024年、第2期(第47代)トランプ大統領当選から就任式までの20日間を
2度目のファーストレディとなったメラニア夫人目線で追ったドキュメンタリー
ある意味面白いというか、興味深かったです

この映画が出来た背景は
メラニアがAmazon創設者のジェフ・ベゾスと食事をした際に
映画制作と共同プロデューサーを提案
さらに監督のブレット・ラトナーも、夫人が自ら指名したそうです

このブレット・ラトナー監督
のちに第1期トランプ政権で財務長官となるスティーブン・ムニューシン氏と
2004年、映画製作会社「ラトパック・エンターテインメント」を設立
「アメリカン・スナイパー」や「マッドマックス 怒りのデス・ロード」など
著名な映画を製作していますが
2017年に多数の女性からセクハラを告発され(#MeToo運動)
ハリウッドから追放されてしまいます

それがメラニアのおかげでカムバックすることが出来たわけですから
(もともとトランプ夫妻とは親密で、私邸マール・ア・ラーゴに滞在するほどの関係)
メラニアを悪く撮るわけがありません
いわばメラニアのプロモーションビデオ
しかもAmazonがメラニアに支払ったギャラは
2800万ドル(約44億8千万円)という(笑)

おかげでマール・ア・ラーゴや
ニューヨークのトランプタワーでのセレブな生活
トランプの自家用機や、大統領専用機(エアフォースワン)の中を
ご観覧させていただくことができます
身体にフィットしたドレスで12cmのピンヒールを履き続ける
ストイックさが半端ない

移動の車中で(監督から)好きなアーティストを聞かれると
迷いなくマイケル・ジャクソンと答え
好きな曲は「ビリー・ジーン」と「スリラー」どっちか迷っていると
突然「ビリー・ジーン」を歌いだすという
庶民的な一面も見せて、好感度アップも忘れない(笑)
(ついでに監督も歌いだし、気心が知れていることが伺える)

トランプが記者の質問に詰まった時には、的確な助言をし
トランプが「今のシーンはカットだ!」と言っても
笑顔でカメラマンに「撮って」と返す聡明さ
(本物のインタビューではなく、演技のように見える)

さらに次期ファーストレディとして、政権移行に伴う複雑な手続きや
式典の準備、パレードの細部をチームに指揮
世界の子どもたちを支援するための
「Fostering the Future Together」(未来をともに育む) を立ち上げ
平和を尊重する次世代のリーダーを育てるための教育の重要性
米国の里親制度(フォスターケア)を利用する若者への教育や就業への支援
といったプロジェクト(慈善活動)をアピール
会談するひとりはネタニヤフ首相のサラ夫人
(メディアから「誤解されている者同士」だとして強い連帯感を持っているらしい)

ハマスに拘束されていたアメリカ系イスラエル人、アビバ・シーゲルさんを招き
未だ人質になっている夫キース氏の解放のために
自分の影響力と力(influence and power)を使って戦うことを誓います
(でもガザやイランの病院や学校が空爆されて民間人が亡くなるのはOKなのね)
そしてついにマール・ア・ラーゴから
ホワイトハウスに引っ越しの日がやってきます

まずは就任式の朝、大統領夫妻が次期大統領夫妻を
ホワイトハウスの「モーニング・ティー」に招待する
その後同じビースト(大統領専用の防弾車 )に乗り就任式の会場まで向かいます
(バイデンとカマラ・ハリスの苦渋に満ちた顔をカメラは捕える)
最後は新大統領夫妻が前大統領夫妻を
ヘリコプター(マリーン・ワン)まで見送るというのが慣例ということ
こういう一連の映像が公開されたのは、たぶん初めてじゃないでしょうか
さすが元モデル、「見せる仕事」を知っている
(でも大学生になり身長206cmまで成長したバロン君は微妙に陰キャラ 笑)

しかし公開1か月前となる2025年12月
トランプと親交があったとされるジェフリー・エプスタインの
(未成年者の性的人身売買に関与する) エプスタイン・ファイルから
エプスタインの「右腕」でモデルエージェントのジャン=リュック・ブルネルと
ラトナー監督がポーズを取っている写真が公開

旧共産圏スロベニア(旧ユーゴスラビア)出身で
モデル時代のメラニア(当時はメラニア・クナウス)を見出したのもブルネル
彼女のためにビザを取得し、ニューヨークでのキャリアをスタートさせるため
自身の(モデル志望の少女をエプスタインに紹介していたといわれる)
モデル事務所に所属させます
そしてメラニア28歳の時ブルネルが主催したパーティーでトランプと出会い
34歳(トランプは58歳)で結婚、現在に至ったというわけです

公の場では無言で甲斐甲斐しく
常にトランプと手を繋いでいるメラニアですが
劇中の彼女はトランプ以上に言葉も行動もタフ、トランプに対しても
「あなたは自分の言葉で話せばいい、世界はあなたを待っているわ」
「ノイズ(雑音)は無視して、今やるべきことに集中して」と
(トランプの秘密を全て握っている?)かかあ天下ぶりを発揮しております
そうしてラストは
「これからの4年間、私は自分のやり方でこの国の子どもたちのために尽くす」と
締めくくったのでした
(世界の子どもたちを救う「Fostering the Future Together」はどうなった?)
【解説】映画.COMより
第45・47代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプの妻でファーストレディのメラニア・トランプを題材にしたドキュメンタリー。
ドナルド・トランプが2024年米大統領選に勝利し、第47代大統領への就任が決まったことで、米国史上初の「2度目のファーストレディ」となったメラニア・トランプ。本作は、2025年の大統領就任式までの20日間を切り取ったドキュメンタリーで、就任式に向けての計画立案や指揮、ホワイトハウス移行に伴う複雑な準備、そして首都・ワシントンD.C.へ再び家族と引っ越す様子もカメラで捉え、メラニアを取り巻く世界の内部へと踏み込んでいく。重要な会議、私生活での会話、これまで公開されなかった記録映像を通して、メラニアがファーストレディに復帰する姿を描く。
監督は「ラッシュアワー」シリーズや「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」で知られるブレット・ラトナー。
2026年製作/104分/G/アメリカ
原題または英題:Melania
配給:Amazon MGM Studios