太平洋ひとりぼっち(1963)

 
 
 
日本を代表する海洋冒険家、堀江謙一さんの
日本人として初めて太平洋を単独横断したときの
実話に基づいた作品。
 
森雅之さん田中絹代さん浅丘ルリ子さんという豪華な顔ぶれですが
ほぼ石原裕次郎さんのひとり芝居。
 
1962年。
まだ海外旅行が自由化されていなかった時代。
ペットボトルの水もなければ、機能的な装備も十分になかった時代。
 
小型ヨット“マーメイド号”で
単身アメリカに向かうために太平洋に船出した堀江青年(裕次郎)。
しかし、台風に直撃されたり、舟に海水が浸入し掃き出す作業に追われたり
飲料水が腐ってしまったりと、次から次へとトラブルに見舞われます。
そして孤独との戦い。
 
冒険や旅やアウトドアが好き。
誰にも邪魔されずにひとりの時間を過ごしたい。
社会のルールに束縛されず自由になりたい・・
そういう方が見たら共感できるものもあるのではないでしょうか。
 
しかし私は海を渡ったりエベレストに登ったり
ジャングルやサバンナで野生の生き物を見に行く人の気持は
全く理解できないタイプ。
都会の便利な生活でなければ生きれない。笑
 
もしかしたら、冒険家の特殊な体験記として見ないで
世間の荒波の中で、孤独と戦い、自分の夢や目的を達成する・・
そんな物語として鑑賞したらもっと共感をもてたかもしれません。
私たち人間は誰しもがひとりぼっちなのですから。
 
石原プロの第1作目であり
円谷プロのこれも設立第一作の仕事として、記念すべき作品。
ヨットが台風で波にのみこまれるシーンなどの特撮は
素晴らしい出来栄えでした。

でも一番印象にのこって良かったと思ったのは
ヨットに詰め込む荷物を色々紹介する場面です。
「カレンダーは、ページをめくる格言のあるもの」など
妙に納得してしまいました。
 

 
 
【解説】allcinemaより
 一人で小型ヨットに乗り94日かけて太平洋横断を成し遂げた、堀江謙一の体験記をもとにした青春冒険映画。嵐の海のシーンの特撮が、円谷プロの初めての仕事と言われている。