座頭市(1989)


 
 
当時、殺陣のリハーサル中に日本刀(真剣)が俳優の首に刺さり死亡してしまい
一大スキャンダルとして報道され、バッシングされていたのを覚えています。
しかし映画は大ヒットしました。
 
リアリティを出すための演出へのこだわりの為に、死者まで出してしまった。
そう考えながら作品を鑑賞していたら
濡れ場のシーンまでも、本物なのか?と
ついつい思ってしまったのは私だけなのでしょうか。笑
 
座頭市」観たのはこの作品がはじめてです。
面白かったですね、まるでセルジオ・レオーネ作品のような雰囲気。
時代劇の影響をうけて、マカロニウエスタンの傑作ができ
またそれを逆輸入して、痛快時代劇になったようです。
 
「抜いたのは、そっちが先だぜ?」なんて
とてもシビれるじゃありませんか。
まるでクリント・イーストウッドが言いそうなセリフで。笑
 
勝さんの座頭市
猫背にガニ股、出鱈目、白髪まじりの頭に不精髭。
汚れた無頼がたまらないです。
 
とにかく殺陣が凄い。
ストリーなんてどうでもいい、うっとりと見入ってしまいます。
あの姿勢でのあのスピード、そして瞬殺。
 
カメラは山田洋次監督作品でおなじみの長沼六男さん。
1カット1カットが実に素晴らしい、風格があります。
唸らずにはいられません。
 
本当にストリーなんてどうでもいい。
役者が役者のために作った映画。
娯楽時代劇として十分に満足できる作品でしょう。
 

 
【ストリー】ウィキペディアより
役人をからかって3日間の牢入りと百叩きの刑を受けた盲目の按摩・座頭市は、知り合いの儀肋を頼って銚子のとある漁村に辿り着く。近隣を取り仕切るのは、地域一体を監督し絶大な権力を有する八州取締役に近づき、地盤を確固たるものにせんとする極道・五右衛門。五右衛門は大親分の叔父を殺し、一家を乗っ取って八州取締役と組む。
市は儀肋の言に従い、地元の賭場へ出向き、彼らと揉め事を起こすが、女親分おはんの執り成しによってその場は治まり、その後、五右衛門が放った刺客達を返り討ちにする。五右衛門一家と対立する赤兵衛一家の親分・赤兵衛は市の腕を見込み、用心棒として雇おうとするが、市はその手に乗らなかった。
市は旅の道中で凄腕の浪人と知り合い、意気投合した。しかし、五右衛門一家は彼を雇い入れてしまう。やがて市は孤児を集め育てる少女おうめと知り合い、この少女に母の面影をみて、心を通わせるのだった。おうめを我がものとしようとする八州取締役の元へ向かう市。やがて宿場町を巻き込んだ五右衛門と赤兵衛の凄絶なやくざの出入りが幕を開け、市はそのまっただ中へと飛び込んでいく。