ドラムバトルが有名な映画ですね
手にけがをしたドラマーが即興の歌で観客を酔わす
そして大スターになるものの
芸能界の裏の駆け引きによって
再び落ちぶれてしまうというもの
しかし、この映画の本当のドラマは
母と息子の葛藤にありました
正一と英次は音楽を愛する仲のいい兄弟
正一は喧嘩早く、女好き
音楽学校に通う真面目な弟だけが
正一のやさしさや気のいいところを知ってるのです
だけど、そのことが母親には気に入らない
母親は正一を嫌い、決して認めず
正一を突き放そうとします
自分を捨てた夫への恨みを、息子にぶつける
オンボロアパートに引きこもって内職をする小夜福子さんがリアルで
顔をあわせるたびに言い争いになって部屋を飛び出す裕次郎
名人、藤林甲氏のカメラに息をのむ
でも弟の音楽家としての将来のため
わが身を犠牲にした兄の姿に、やっと母親は気が付くのです
どちらも自分が産んだ大切な子だったということを
大切な右手を潰されドラマーとしての道は絶ってしまったけれど
それと引き換えにいちばん欲しかった母親の愛情と
弟の成功は手に入れることはできました
これでよかったのだと思います
きっと、これからはみんな幸せになれる
そんなラストでした
【解説】allcinemaより
美しい兄弟愛を中心に、ドラマーを目指す若者の熱い姿を描いた、石原裕次郎主演の青春歌謡ドラマ。女流マネージャー・美弥子に見出されたドラマー・国分正一は、美弥子の厳しい指導と猛練習でメキメキと力をつけていく。やがて二人の間にも淡い恋心が芽生えていた。しかし作曲家志望の弟・英次が新人リサイタルに推薦されることになり、美弥子に恋心を抱く評論家・左京の力が必要となる。仕方なく、正一は美弥子から離れる決心をしたのだが……。
