銀座の恋の物語(1962)




デュエット曲のスタンダードナンバーの最高位「銀恋」
この功績を永く後世に伝えるため
ゆかりの地銀座(4丁目数奇屋橋公園)には歌碑も建立されているそうです
今でもおじ様たちに愛され続けている名曲です


当時の銀座はまだ若者が住めるようなボロアパートや
町工場がなどがあったのですね

ジャズピアニストの修二(ジェリー藤尾)と暮らす伴次郎(裕ちゃん)は
洋裁店で働くチャコちゃん(ルリ子)と好きあっていました
しかし画家を目指ざす伴次郎は今でいうフリーター
彼の才能を見込んだ大手企業からの誘いも断り続けます

このころは、女性が20代前半で結婚しなければ
行かず後家と呼ばれる時代だったのでしょう
チャコも結婚を焦る年頃だったのだと思います
戦争で身内もいなく家族が欲しかったこともあるでしょう

就職しない伴次郎についにキレてしまう
ここまでしないと、男性は女性の気持ちに気が付かない(笑)





ついに結婚を決めるふたりですが、待ち合わせの場所に行く途中
チャコちゃんは事故に遭い、記憶喪失となってしまいます

私にとっての浅丘ルリ子さんといえば
男はつらいよ」のリリーなのですが(笑)
若いころは顔も唇もふっくらしていて可愛いですね





記憶喪失の二重人格という設定はさすがに無理はありますが(笑)
館内放送のアナウンスの声で気が付くシーンはいい

伴次郎が描いたチャコの肖像画
音の欠落した玩具のピアノ
ふたりで作った歌の歌詞
様々なアイテムが活きています


発展途上のさなかの若者たちは
誰もが伴次郎であり、チャコちゃんだったのでしょう

夢を追いかけ
愛を探す

幸せな時はウキウキして
哀しい時にはせつなくなる
そんなメロディー


どっぷり昭和に浸れる作品でしょう
さすが昭和の大スターだと、感服せずにいられません



【作品情報】Movie Walkerより
「アラブの嵐」の山田信夫と、「男と男の生きる街」の熊井啓が共同で脚本を執筆、「メキシコ無宿」の蔵原惟繕が監督した歌謡メロドラマ。撮影もコンビの間宮義雄。