邦画・時代劇/任侠

弁天小僧(1958)

「知らざあいって聞かせやしょう! 女にばけた雷蔵がさつとぬいだ緋ぢりめん! きったタンカは日本一!」 歌舞伎の世話物「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」通称「弁天小僧」の映像化ということ。 作品は知りませんでしたがこのセリフは聞い…

蝉しぐれ(2005)

「泣きたければ、泣いてもよいぞ」 初めて読んだ時代小説が、この「蝉しぐれ」。その本や映画の内容を思い出すとき読んだ時や見た時の、その当時の思い出も一緒に蘇ります。 若い頃、2ヶ月ほど入院したことがありました。本ばかり読んでいた私に、同じ病棟…

新吾十番勝負 第一部 第二部 総集編(1959)

徳川吉宗の落胤として、親の顔を知らないまま梅井多門(山形勲)の育てられ、梅井の意思を継ぐように剣の道を生きる葵新吾(大川橋蔵)の十番勝負のうちの五番までを収めた作品。 大川橋蔵さんや大友柳太郎さんが主演作品というだけで爽やかな香りがプンプ…

新選組始末記(1963)

新選組って女性ファンも結構多いですよね。しかしこの物語、近藤勇でも土方歳三でも沖田総司でもなく(私にとって名前さえ知らない)山崎蒸が主人公です。私は時代劇には詳しくないのですけれど山崎蒸という人物を主役においた新選組というのは珍しいのでは…

雨あがる(1999)

「人間は悲しい生き物なんですから・・ 」 とても爽やかで、愛情や思いやりを感じる時代劇でした。それにセリフが現代的にされていたので、とても見やすいですね。 腕は立つがお人よしで出世できない浪人と、そんな夫を信頼し支える妻。「清貧」という日本…

十三人の刺客(2010)

「遅ければ次の盆に帰る・・」 冒頭の切腹のたった1シーンで死んでしまった内野聖陽さん。とにかく豪華なキャストです。脇役から悪役まで、主役級の役者をよくぞここまで揃えましたという感じ。そして、かなりグロテスクな描写が多いです。藩主松平斉韶に…

小川の辺(2011)

「武士と言うものは、誠に難しいものだな・・・」 忠誠を誓う藩主の命令は絶対。藩主を批判し脱藩した佐久間森衛を、討伐せよとの藩命が下された藩で1番の剣の使い手の戌井朔之助。森衛は、朔之助の親友であり、朔之介の妹の夫で義理の弟でした。 洪水被害…

影の軍団 服部半蔵(1980)

将軍家光亡き後、幕府の実権を誰が握るかで保科正之は伊賀者を、松平伊豆守は甲賀者を使い争うことになります。 服部家は上(かみ)と下(しも)の2つの家に別れていて下忍の服部半蔵に渡瀬恒さん、上忍の服部半蔵に西郷輝彦さんそして甲賀四郎兵衛を演じ…

極道の妻たち 情炎(2005)

人気の「ごくつま」シリーズ、実はマトモに見たのはこれが初めて。 高島礼子さん、正統派な美人顔でいいですよね。銀座の高級クラブなんて行ったことはないですけど銀座のママってこういう女性なのかな?とか想像してしまいました。・・・銀座の母じゃない…

宮本武蔵 般若坂の決斗(1962)

「たけぞう」から「むさし」となった宮本武蔵。刀の道を極めるために、天下無敵になるために、お通を見捨てて旅に出る決意をします。宝蔵院の槍術に武蔵が試合を申し込んだことから事件がおこります。吉岡一門との因縁の始まりです。 奈良から柳生、そして…

ひばり捕物帖 折鶴駕篭(1960)

美空ひばりさんと東千代之介さん共演の人気捕物シリーズ。イキナリ最終章を見ました。笑大スターの美空ひばりさんが、歌って踊って恋して殺陣します。 紀州家で頼宣(里見浩太朗)の吸物椀に毒が盛られるという事件が起こり正雪(山形勲)がそれを見抜きま…

十七人の忍者(1963)

出ました、何人シリーズ。 家光と、次期将軍の座を狙う駿河大納言忠長(家光の弟)との確執。幕府の密命により、駿府城にある連判状を盗み出すために忍び込む17人の伊賀忍者隊とこれに攻防する、駿府側の根来忍者との戦い。伊賀忍法と根来忍法、はたして…

かあちゃん(2001)

見やすい映画でしたね。 貧乏長屋で身銭を削ってコツコツと貯金する一家。長屋のみんなはその一家をひがみ、あることないこと悪口を言います。それを小耳に挟んだ若い男は、ある夜その家に泥棒に入るのです。ところが、そこの女将は若い男にお金を貯めてい…

助太刀屋助六(2002)

岡本監督の遺作ということです。なんとなく西部劇っぽい時代劇という印象でしたが。岡本監督は西部劇の大ファンなんだそうですね。(私と同じだぁ~。笑) ひょんなことから、他人の仇討ちを助太刀してしまったことからやみつきになりそれを稼業とする「助…

山桜(2008)

先夫に病で先立たれ、再婚先の夫には品がなく、意地悪な姑に毎日いびられている野江(田中麗奈)。過去に彼女は、「母1人息子1人の家だから」という理由で縁談を断った手塚弥一郎(東山紀之)がいました。その手塚と偶然再会してしまった野江。手塚は礼儀…

集団奉行所破り(1964)

徳川幕府にのっとられた大坂城。そして、東大阪奉行所には豪商からの賄賂金がたんまり。役人の悪行に日頃から恨みをもつ面々が、その賄賂金を強奪しようとします。 「こいつはちょっと危ない橋をわたらなならんで!」「今さら危ない橋もないでえー」「われ…

幕末太陽傳(1957)

「何とかして差し上げましょう!でもアッシはタダじゃあ動きやせんよ?」豪華なキャストでした。 フランキー堺さんを主役に、大スターの石原裕次郎さん二谷英明さん、小林旭さんが脇で登場。そのうえ金子信雄さん、小沢昭一さん、山岡久乃さん、菅井きんさ…

福沢諭吉(1991)

慶應義塾を開校した啓蒙思想家、福沢諭吉の半生を綴った物語。 福沢諭吉といえば、お札の人ですね。諭吉に野口英世・・今の子どもたちはどこまで知っているのでしょう?怖くて聞けません。 しかしこの作品、肝心の福沢諭吉(柴田恭平)の貧乏だった下級武士…

やじきた道中てれすこ(2007)

勘三郎さんの追悼ということで放映されていたのを鑑賞しました。 弥次さん喜多さんを演じる中村勘三郎さんと柄本明さんの表情が豊かでこのふたりの演技で生きている作品ですね。そして「なりたい40代女性」の人気ナンバー1に輝くキョンキョン。薹が立っ…

忍者狩り(1964)

「お墨付き」とは1 室町・江戸時代、幕府や大名から、後日の証拠として臣下に与えた花押(かおう)のある文書。2 権力・権威のある人の与える保証。(大辞泉より) 「わけあってお主の命を買いに参った」「たかが浪人の命、高こう売れまい」冒頭からセリフ…

源氏九郎颯爽記 白狐二刀流(1957)

ひとことでいえば、少年漫画のような時代劇ですね。(誰に同意を求めているの?笑) 源氏九郎の見つけた義経の秘宝ををめぐって悪徳商人・貧乏公家・攘夷浪士たちが暗躍する物語。 浪人なのに真っ白な着物で登場にまず度肝を抜かれました。口に花を銜えたり…

武士の家計簿(2010)

堺雅人さんの顔って、普通にしている顔がすでに笑顔のようで、この作品の真面目で良き夫、良き父親というイメージとぴったりでした。正統派美人の仲間由紀恵さんも相変わらず(作品の中では老いても。笑)素敵でしたし、脇を固める中村雅俊さん、松坂慶子さ…

あかね空(2007)

江戸時代、下町で豆腐屋を営む一家の物語。 関西風と関東風って食べ物の味が違うことが多いですがそれが江戸時代だと、その違いを受け入れるのは難しかったかもしれませんね。 京からやってきた永吉(内野聖陽)がつくる豆腐はやわらかく、固めの豆腐が好み…

宮本武蔵(1973)

宮本武蔵という人物も、吉川英治の同名小説も大変人気がありますよね。その大人気の理由と言うか、魅力というのは女性にはちょっとわかりにくいですが。 この作品はお通役の松坂慶子さんが綺麗で素敵でした。そして、小次郎役の田宮次郎さんがとて良かった…

御用金(1969)

「御用金」とは佐渡から船で運ばれる金のこと。 財政難を救うために、佐渡の金を運ぶ幕府の船を沈めてその金を横領した藩。そして、目撃者である漁民を全員抹殺し、「神隠し」と呼ばせたのです。そして3年後、藩は2度目の「神隠し」を行おうとしていたの…

十一人の侍(1967)

館林藩主の松平斉厚が狩の最中に 自ら潘境を越えて農民を弓矢で殺します。忍藩主の阿部正由がそのことをたしなめると斉厚はそれに腹を立て同じその弓矢で阿部の目玉を射抜いて殺してしまうのです。この通り、この松平斉厚が実に憎たらしいヤツで(苦笑)「…

赤い影法師(1961)

「影」と呼ばれる凄腕の忍びがいました。若き日の服部半蔵(近衛十四郎)は「影」(木暮実千代)が女性であることを知り、その魅力のとりこになり、力でねじ伏せてしまいます。そして影は半蔵の子供を産み「母影」となり 子は「若影」(大川橋蔵)と呼ばれ…