忍者狩り(1964)


 
 
「お墨付き」とは
室町・江戸時代、幕府や大名から、後日の証拠として臣下に与えた花押(かおう)のある文書。
権力・権威のある人の与える保証。(大辞泉より)
 
 
「わけあってお主の命を買いに参った」
「たかが浪人の命、高こう売れまい」
冒頭からセリフが良いです。
 
将軍家より下されたお墨付。
お墨付奪取の命を受ける隠密の甲賀忍者、闇の蔵人。
徳川が三代目に入っても、豊臣方の系譜を引く外大名たちは反乱を企てているのです。
その中のひとつ松山藩城代家老会津土佐である田村高廣は、四人の浪人の
和田倉(近衛十四郎)永長(佐藤慶)、筧新蔵(山城新伍)、天野(河原崎長一)を、
幕府の甲賀忍者に対抗させようとします。
若君を暗殺するときしか敵を倒すチャンスはありません。
そのために、幼い若君を身代わりにまでする非情さ。
そして、たとえ無実の者であっても拷問し斬り殺していきます。
その呻き声を聞きながらのお茶・・・なんという冷酷。
 
「お家安泰を考えよ」
 
ラストの死闘は、本当に凄まじかったですね。
近衛十四郎さんの演技には鬼気迫るものがありました。
そして、敵の闇の蔵人役の天津敏さんがとても良かったです。
天津敏さんって名前を今まで知りませんでしたが、数多くの悪役で活躍なさったそうですね。
とても素晴らしい俳優さんだと思いました。
 

【あらすじ】goo映画より
徳川三代将軍家光は、幕府の体制を不動のものにするため豊臣恩顧の外様藩取潰しを計った。そのころ伊予松山二十万石、蒲生家では城主式部太夫忠和の死病を理由に、嫡子種丸の家督相続を願い出、老中久世大和守より将軍家のお墨付を下付された。種丸の将軍家初御目見得の儀は六月十日に決った。儀式の後ではいかに幕府といえども蒲生家を取潰す事は出来ない。大和守は、忍者、闇の蔵人らにお墨付け奪還を命じた。一方蒲生家城代家老、土佐は幕府の腹を見抜き、五郎左衛門、八右衛門、新蔵、弥次郎の四人を忍者狩りに当てた。その内の一人五郎左衛門は、かって闇の蔵人との闘いに破れ主家を失った浪人で、蔵人への憎しみは激しかった。蔵人の手口を知る五郎左は、新規召抱えの家臣八人を巧みにわなにかけ、苛酷な拷問の末一人残らず首をはねた。しかし罪のない家臣の命迄も奪った五郎左の執念に蒲生家の人々は激しい反感を抱いた・・・