集団奉行所破り(1964)

 

 
 
徳川幕府にのっとられた大坂城
そして、東大阪奉行所には豪商からの賄賂金がたんまり。
役人の悪行に日頃から恨みをもつ面々が、その賄賂金を強奪しようと
します。
 
「こいつはちょっと危ない橋をわたらなならんで!」
「今さら危ない橋もないでえー」
「われ、今まで丈夫な橋渡ったことあるけえ」
早口の大阪弁がテンポよく、耳に心地よいです。
 
元締めの金子信雄に集まったのは、ニセ医者の内田良平、色事師の里見浩太郎
ボケの田中春男、陰気な人斬りの大友柳太郎、そして紅一点の桜町弘子・・・
それぞれの登場人物のキャラがいいですね。
とくに、佐藤慶の悪役ぶりは素晴らしかった。
 
「あいつ信用していいんかいな?」 
 
権力に一泡吹かせようというお話って、心を惹かれますよね。
しかし結果的に彼らは、お金を手に入れることはできず
せっかく見つけた賄賂に関する書面さえも、川に流してしまいます。
ここは何か、見終わった後の爽快感が欲しかったですね。
それがなかったのは残念なラストでした。
 

 
【あらすじ】NHKネットクラブより
元は海賊の一味で現在は宿屋を営む勘助は、7年前、船役人に襲われたところを大阪屈指の回船問屋・河内屋善右衛門に助けられた。その後河内屋の財産に目を付けた奉行所はあらぬ罪をでっちあげ河内屋を処刑。勘助は、河内屋の財産が眠る奉行所から金を奪い、彼の7回忌を執り行うという計画を実行するため、かつての仲間たちを招集。個性豊かな彼らはそれぞれの特技を生かし、行動を開始する。