十三人の刺客(2010)


 
 
「遅ければ次の盆に帰る・・」
 
冒頭の切腹のたった1シーンで死んでしまった内野聖陽さん。
とにかく豪華なキャストです。
脇役から悪役まで、主役級の役者をよくぞここまで揃えましたという感じ。
そして、かなりグロテスクな描写が多いです。
藩主松平斉韶におもちゃにされ、両手両足を落とされ
更には舌まで抜かれ捨てられてた女性の血の涙を流しながらの訴えは壮絶。
 
「迷わず、愚かな道を選べ」
 
冷血藩主斉韶を演じる稲垣吾郎さんが予想以上の怪演。
特に前半の残虐ぶりは見もの、かなりの怖さです。
斉韶暗殺を決断、御目付役・島田新左衛門(役所)が
13人の刺客を集めるくだりはもう少し時間をかけて
丁寧に描いても良かったでしょう。
逆に無駄に下品な下ネタはいらなかった。
 
「小細工は、ここまで」
 
「預かったおぬしたちの命、使い捨てに致す。覚悟は良いな!」
 
「斬って斬って斬りまくれ!」
 
クライマックスの戦闘シーンは50分。笑
松方弘樹さんが見事な殺陣でさすがの貫禄、刀の舞いが美しいです、素晴らしい。
カッコよさでいえば伊原剛志さん、二刀流にシビれます。
伊勢谷友介さんの山男の設定はダメですね、失敗でしょう。
 
13人の男が300人の悪者と戦い、次々と殺していきます。
爆薬ドカーン!罠ドーン!
泥まみれ、血まみれ。
ド派手な殺戮が繰り広げられるのです。
ここまで豪快だと、妙に気分よくなってきます。
 
「さぁ、殺せ・・」
 
セリフのひとつひとつがカッコよくて、グッときますね。
エログロな作品ですが、言葉のセンスはとても良い。
時代劇ファンだけでなく、バイオレンスアクションが好きな方にも
お勧めな作品ではないでしょうか。
 
 

 
 
【解説】allcinemaより
63年の傑作時代劇を「クローズZERO」「ヤッターマン」の三池崇史監督が豪華キャストでリメイクした時代劇エンタテインメント大作。権力を笠に言語道断の蛮行を繰り返す将軍の弟を暗殺すべく集められた13人の刺客が、300人を超える軍勢を相手に壮絶な戦いに臨む姿を描く。主演は「パコと魔法の絵本」の役所広司、共演に山田孝之伊勢谷友介市村正親稲垣吾郎
 江戸時代末期。将軍・家慶の弟で明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)の暴君ぶりは目に余った。斉韶は近く、老中への就任も決まっている男。幕府の存亡に危機感を募らせる老中・土井利位は、かねてより良く知る御目付・島田新左衛門に斉韶暗殺の密命を下す。さっそく、甥の新六郎をはじめ十一人の腕に覚えある男たちを集めた新左衛門は、後に加わる山の民・木賀小弥太を含む総勢十三人の暗殺部隊を組織、入念な計画を練り上げていく。しかし、斉韶の腹心・鬼頭半兵衛もまたその動きを抜け目なく察知し、大切な殿を守り抜くべく周到な準備を進めていた…。