赤い影法師(1961)


 
 
 
「影」と呼ばれる凄腕の忍びがいました。
若き日の服部半蔵近衛十四郎)は「影」(木暮実千代)が
女性であることを知り、その魅力のとりこになり、力でねじ伏せてしまいます。
そして影は半蔵の子供を産み「母影」となり 
子は「若影」(大川橋蔵)と呼ばれるようになるのです。
 
時がたち、徳川家光のため、乳母の春日局花柳小菊)は 
武芸ができて美しい女性 由利(大川恵子)を側室に上げようと
(家光に興味をもたせるため)彼女を御前試合に出すことにします。
 
その御前試合の勝者には将軍家から、刀が拝領されます。
そしてその刀とは、石田三成の血をひいている母影の刺青とあわせると、
三成の隠した埋蔵金のありかがわかる刀だったのです。
 
若影は由利を見たとたんに惹かれてしまいました。
由利もまた若影の姿に胸ときめかせました。
そして、埋蔵金のありかを知る刀は由利が手に入れました。
 
刀を奪う為に由利の部屋にも忍んだものの、由利に乞われて顔も見せる若影。
そこに見回り中の服部半蔵が現れてしまいます。
半蔵は若影に「影」の面影を見ます・・
半蔵はずっと影のことが忘れられなかったのです。
 
埋蔵金のありかを秘めた刀をめぐりながら、打倒徳川を狙う若影の物語なのでありますが・・
 
由利と若影、そして母影と服部半蔵
愛憎のほうがどうなるのか、終始見入ってしまいました。笑
 
「母者も女性であったか・・・」
 
お互い愛しながらも、決して結ばれることのない宿命の母影と半蔵。
なかなかロマンチックな時代劇で楽しめる作品でした。
 

 
【あらすじ】東映チャンネルより
時は徳川幕府、家光が将軍の時代。木曾谷の忍者・若影は石田三成の娘・母影が服部半蔵に犯され身ごもった子である。彼はその生い立ちを知らぬまま、母と共に家光の命を狙っていた。やがて、彼らは三成の隠し軍資金のありかを記す十振りの無銘剣をめぐって半蔵らと攻防を繰り広げる。打倒徳川を誓う若影と服部半蔵との宿命の対決に、柳生流、念流、巴流などが入り乱れ、迫力の乱闘が展開する。