あかね空(2007)

 
 
 
 

 
 
江戸時代、下町で豆腐屋を営む一家の物語。
 
関西風と関東風って食べ物の味が違うことが多いですが
それが江戸時代だと、その違いを受け入れるのは難しかったかもしれませんね。
 
京からやってきた永吉(内野聖陽)がつくる豆腐はやわらかく、
固めの豆腐が好みの江戸っ子の口には、どうも合わないのです。
開店当日は珍しさもあって大繁盛だった栄吉の豆腐屋も、
翌日からたくさん売れ残ってしまいます。
近所に住む下町っ娘のおふみ(中谷美紀)は、
落ち込む栄吉を明るく励まし力になります。
 
おふみは栄吉のことを最初に会ったその時から、ベタ惚れなんですね。
これはもう女性にとって運命の出会いです。
好きな人の為ならば、たとえ火の中、水の中なのです。
 
ホント恋をしたときって、どこからかパワーが溢れてきますよね。
 
栄吉の知らないところで、栄吉は助けられます。
行商の嘉次郎(勝村政信)のアドバイスや、豆腐屋を営む清兵衛の助けで
永代寺の西周から大口注文を受けることになるのです。
 
やがて結婚、子どもにも恵まれ幸せな家庭を築いたのですが・・
 
子ども達が成長し大人になると、長男の栄太郎は組合で孤立し栄吉のやり方に反発。
そして、次男の悟郎(細田よしひこ)は騙され、
賭場で莫大な借金を抱え込んでしまうのです。
 
個人的には前半と後半は、別の作品として観たかったですね。
恋愛とサクセスと、生き別れた親子の再会の人情ものと、
乗っ取りを企む同業者からの陰謀とそれを乗り切る家族の絆もの。
そのほうがしっくりしたような気がします。
 

【解説】allcinemaより
深川蛤町。京の由緒ある豆腐屋で修行を積み、自分の店を持つため江戸へとやって来た青年・永吉。やがて、深川生まれの元気な娘おふみと出会う。2人はお互いに惹かれ合うものを感じる。そして、おふみの父・源治の計らいで同じ長屋に落ち着いた永吉は、念願だった自分の店“京や”を開く。しかし、江戸の豆腐とは大きさも固さもまるで違う京やの豆腐。案の定、江戸の人々にはなかなか受け入れてもらえなかった。落ち込む永吉を、おふみは持ち前の明るさで励まし続けるのだった。