ヨルゴス・ランティモス

憐れみの3章(2024)

原題は「Kinds of Kindness」(やさしさの種類) 邦題は「哀れなるものたち」にかけたのでしょうね 憐れみというよりは、変態度のほうがかなり高い これをブラックユーモア、またはファンタジーと笑えたら あなたも変態上級者(笑) 同じ登場人物による、全…

籠の中の乙女(2009)

原題は「Κυνόδοντας」(犬歯=牙) 常に「性」と「暴力」というのが ヨルゴス・ランティモスの作品テーマだと思うのですが これは「哀れなるものたち」より、さらに”哀れなるものたち”の物語でした(笑) 「プロパガンダ」を「家庭」という小さな世界に置き…

ロブスター(2015)

原題は「The Lobster」 冒頭、雨の中車が牧場に着くと女が降りて一頭のロバを撃ち殺します その後この「ロバを撃った女」は一度も登場しません 場面は切り替わり、主人公デヴィッド(コリン・ファレル)の面接シーン デヴィッドは妻が別の男と出て行ったため…

聖なる鹿殺し/キリング・オブ・ア・セイクリッドディア(2017)

原題は「The Killing of a Sacred Deer」(神聖な鹿の殺害) ミヒャエル・ハネケのような不気味で居心地の悪さ でもハネケの「本当に怖いのは人間」とは違って 神がかっている これは映画の終盤で娘が学校のレポートで「A」をもらったという ギリシャ神話の…

哀れなるものたち(2023)

原題は「Poor thing」(かわいそうなもの) 原作はスコットランドの小説家アラスター・グレイの1992年に発表した代表作で 自ら命を絶った妊婦に、胎児の脳を移植して生き返らせ 理想の女性に育てあげようとした天才外科医の物語 原作はもちろん未読ですが 映…

女王陛下のお気に入り(2018)

イギリス王室ものなので(笑) 間違いなく何かしら誰かしら アカデミー賞は受賞する(はず)の作品 時は1708年 跡継ぎがいなかったスペインを、血縁のフランス王が継承しようとしたのを イギリスが阻止しようとフランスと戦った「スペイン継承戦争」 その戦…