原題は「[Rec]」
全編ビデオカメラによるPOV(Point of View Shot=主観撮影)モキュメンタリー
(ドキュメンタリー映像のように演出する表現手法)
公開当時は一躍話題となったスペインホラー
消防士の密着取材のため同行したレポーターとカメラマンが
通報があったアパートで、住民たちとともに謎の感染症のため
隔離され閉じ込められてしまうというもの
前半女性レポーターがうるさすぎてイラッとくるのですが(笑)
そこを我慢すれば、中盤からはまあまあの出来
POV撮影って画面が揺れるせいで、私も含め苦手な人が多いと思うのですが
このてのドッキリ系ホラーでは効果を発揮しますね
カメラが振り向いた矢先や、遠くから近づいてきた何かに
突然襲われるシーンのリアル感がハンパない
お化け屋敷で体験するような「びっくり」感があり
映画館で見たら飛び上がっていたかも(笑)
老人や子どもという、普段は弱い立場の人間が
ゾンビ化して凶暴になってしまうというギャップがいいし
ダラダラと同じようなシーンは繰り返さず
77分というコンパクトさで飽きさせない
この先シリーズ4まで製作されていますが
「屋根裏部屋に封じ込められた悪魔に憑かれた少女」
(すでにババアになっているがな)の謎は解けるのでしょうか
といっても、たぶん続編は見ないですけど(笑)
2007年、スペイン、バルセロナ郊外
「眠らぬ街」という番組で、夜の消防署の様子を密着取材する
女性レポーターのアンヘラとカメラマンのパブロ
深夜、老婆の叫び声がするという通報を受け
消防士のアレックスとマヌーと共に現場アパートに急行すると
すでに2人の警官(若いと年配)も到着していて
悲鳴が聞こえるという老女の部屋に入ると
錯乱状態の老女が年配の警官に噛み付き
襲われたアレックスは階段から落ち、若い警官が老女を射殺
怪我人を救急車で病院まで運ぼうとしますが
アパートは保険局によって封鎖され、警察と軍に包囲されていました
住民たちがパニックになっても理由は教えられず
ただ衛生検査官が来るまで待つようにとだけ命じられます
住民たちは建物内にある縫製工場に集まり
研修医のギレムが、アレックスと警官にとりあえずの治療を施し
アンヘラとパブロは取材を続けます
やがて防護服を着た保健検査官たちがやって来て
老女が攻撃的になったのは、狂犬病に似たウイルスに感染してたから
ウイルスは犬に噛まれた唾液によって感染し
その犬こそマリ・カルメンとジェニファー母子の飼い犬
(娘は扁桃腺炎を患っていて父親は薬を買いに出かけていた)
マックスだと言います
すると突然豹変したジェニファーが
母親の顔を噛んで逃げ(扁桃腺ではなく感染してたんだな)
若い警官は母親が発症する前に彼女を階段に手錠で繋ぐことにします
しかし若い警官もジェニファーに噛みつかれ
住人たちも発症者から次々噛まれて感染
(中国人と日本人のカップルが登場する意味は?)
アンヘラとパブロ、マヌーの3人は住人のセザールから
地下室の排水溝からアパートを脱出できることを教えらえ
鍵があるという研修医のギレムの部屋を探しにいきますが
セザールは発症した検査官に噛み付かれ
部屋の前で見張っていたマヌーも感染
アンヘラとパブロに襲い掛かってきます
その時停電が起こり
アンヘラとパブロが使われていない最上階の部屋に逃げ込むと
そこには多くの十字架と
悪魔に憑かれた少女が消えたというトリスターナ・メディロス事件の記事
大きなテープレコーダーがありました
テープレコーダーはバチカンに雇われたエージェントのもので
トリスターナ・メデイロスという悪魔憑きのポルトガル人の少女が持つ
酵素を分離する任務を請け負っていたこと
その酵素が変異し伝染性となったこと
少女は部屋に封じ込めて死なせた、という声が録音されていました
天井裏から外に逃げられるかパブロが様子を見にいくと
赤ん坊のようなものが一瞬映り、ライトが壊されます
暗視モードのカメラで周囲を確認するペドロ
そこに半裸の不気味な人影が現われると
アンヘラを逃がそうとしたペドロは殺され
アンヘラも見えない何者かに引きずられ、暗闇に消えていったのでした
【解説】映画.COMより
テレビのドキュメンタリー番組を制作中の女性レポーター・アンヘラは、通報を受けた消防隊に同行してとあるアパートを訪れる。そこには血まみれになって立ちつくす1人の老婆がいた。老婆は駆けつけた警察官を突然襲いはじめ……。閉ざされたアパートの中で想像を絶する恐怖に見舞われる人々の姿を、手持ちカメラ目線によるドキュメンタリー・タッチの映像で描き出し、本国スペインで大ブームを巻き起こしたパニック・ホラー。
2007年製作/77分/R15+/スペイン
原題または英題:[Rec]
配給:ブロードメディア・スタジオ