華麗なる対決(1971)

原題はLes Pétroleuses」(ペトロリューズ)

英題はThe Legend of Frenchie King、Petroleum Girls

(フレンチキングの伝説、 石油少女)

ペトロリューズとは、1870年代にパリの宮殿や政府の建物

知識人の私有財産などを焼き払った女性放火団のこと

ブリジット・バルドークラウディア・カルディナーレ共演の

フレンチ・ウエスタンというより、レディース・ウエスタンコメディ

ストーリーうんぬんより、発想のみで描かれたようなBC級映画ですが

馬にまたがり「イ〜ヤッホー!」と爆走する

BBCCの弾けっぷりが超ゴキゲン

お洒落な男装も麗しい

男たちは全員滑稽で

愛馬に逃げられる保安官が、馬も女性も追いかける(笑)

 

マリアの4人の弟は「天空の城ラピュタ」に出てくる

ドーラの4人の息子たちまんま(本作が元ネタ?)

 

音楽は無駄にフランシス・レイ (笑)

1880年ニューメキシコ

「フレンチ・キング」を名乗る5人組姉妹の列車強盗団

ミラー医師が所有するリトルP牧場の売買契約書を手に入れ

長女ルイーズ(BB)はミラー医師になりすまし、その牧場に住むことにします

の無法者、サラザン一家の長女マリア(CC)は

襲われた列車に残されたカバンから油田の地図を発見
油田のあるリトルP牧場を買うため登記所に向かうと

保安官は牧場はすでにルイーズ姉妹が所有していることを告げます

マリアはルイーズに会いに行き

牧場を3倍の値で買うので出て行って欲しいと頼むと

ルイーズは、マリアが牧場に執着するのには何かある

美しい妹たちに、マリアの弟たちに近づき

理由を探るように命じるのでした

妹たちは弟たちをポーカーに誘い、楽しく遊びますが

イカサマがばれたせいで、弟たちを殴り倒してしまいます

そこにマリアとルイーズが現れ、マリアがルイーズを挑発すると

ルイーズは凄まじい銃の早腕を披露してやり返すのでした

やがて開拓30周年のお祭りの日

ステージで見事な歌声を披露していたマリアは

人々の熱狂で頭を殴打してしまいます

 

ルイーズは気絶したマリアを診察するふりをし

マリアの召使いに、重症で休息が必要だから

誰とも面会させないように命じます

そしてマリアの弟たちを牧場に連れ去り

妹たちに尋問させることにします

ところが妹たちと弟たちは恋に落ち

ルイーズが銃を向けると、油田があることをあっさり白状します

弟たちを救うためマリアがやってくると

姉に叱られるのを恐れた弟たちはルイーズの掘った井戸に隠れます

マリアとルイーズはかたをつけるため決闘

早撃ちと見せかけて、まさかのキャットファイト(笑)

美女ふたりが埃まみれになって、グーでの殴り合い

そこに保安官と、回復した本物のミラー医師がやってきて

弟たちが井戸から脱出しようと暴れると石油が噴出

驚いて倒れたマリアとルイーズを、マリアの召使いが幌馬車で回収し

弟たちと妹たちは保安官に連行されます

ひとり残ったミラー医師は「これで石油王だ!」と叫んだ瞬間

爆発に巻き込まれ木っ端みじん

マリアとルイーズが目覚めると、お互いを認め合い和解

その時、弟たちと妹たちは手錠のまま結婚式を挙げていました

ちょっと「掠奪された7人の花嫁」ぽい(笑)

4組の新婚夫婦が列車で移送されることになると

黒衣装のルイーズと白い衣装のマリアが現れ制圧

姉弟姉妹は列車から飛び降り脱出するのでした

後日、保安官事務所には「フレンチ・キングと白衣の男」という

懸賞金のポスターが貼られていました

強盗も、覆面も、馬にまたがるのも、ズボンを穿くのも

男だという思い込み

クリスチャン・ジャックは美男美女を撮るのが本当にうまいですね

BBとCCも楽しそうに演じていて、健康的な胸の谷間と脚線美が眩しい

心のオアシス、目の保養、「ご馳走さま」な1本でした

 



【解説】映画.COMより

一八八〇年のニュー・メキシコの大平原を背景に、女だけの強盗団とそれと対決する女牧場主と四人の弟たちを描く。製作はレイモン・エジェ、フランシス・コーヌ、監督はクリスチャン・ジャック。マリー・アンジェ・アニエスとジャン・ヌムールの原案をギイ・カザリル、クレマン・ビドル・ウッド、ダニエル・ブーランジェの三人で脚色、撮影はアンリ・ペルサン、音楽はフランシス・レイが各々担当。出演はブリジッド・バルドー、クラウディア・カルディナーレ、マイケル・J・ポラード、ミシュリーヌ・プレール、パティ・シェパード、テレサ・ジンペラ、エンマ・コーエン、フランス・ドゥニャックなど。

1971年製作/フランス・イタリア・スペイン合作
原題:Les Petroleuses
配給:松竹