「マジックアワー」とは、映画の撮影が最も映える夕暮れの時間帯のこと
=「誰にでもある人生で最も輝く瞬間」
もしそんな貴重な時間をフイにしてしまったらどうするか
「明日を待てばいい」だけのこと
元ネタは「知らなすぎた男」(1997)か、「ビッグムービー」(1999)か(笑)
「蒲田行進曲」(1982)もあるある
やれ「キタノ」だとか「クロサワ方式」だとか
かっての日本映画を支えた柳澤 愼一や榎木兵衛の元気な姿を見れたり
ついには本物の市川崑まで登場して(笑)
”映画ツウ”には嬉しいネタのオンパレード
言えるのは、最後まで佐藤浩市に映画の撮影だと信じさせたまま
上手く収めたほうが、もっと良くなったと思う
そこまでのひねりのきいた脚本は三谷幸喜には無理なのか
しかも相変わらず韓国映画みたいに、くどくてガチャガチャしている
2時間半近くは長い、もう少しコンパクトにしたほうが絶対面白いし
今の日本映画界でこれだけの大物実力俳優と
製作費を集めれるのは三谷幸喜だけなんだから(笑)
おおがかりな学芸会は卒業したほうがいい
本当にもったいない
ヤクザのボス(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)との関係がバレた
備後(妻夫木聡) は、自分の命と引き換えに伝説の殺し屋
「デラ富樫」を連れてくるようにボスに命じられます
「デラ富樫」を見たことも聞いたこともない備後は
映画の撮影と騙して、三流俳優の村田(佐藤浩市)に
「デラ富樫」を演じてもらうように頼みます
そこで村田のクサくてわざとらしい演技がはじまるのですが(笑)
それがかえって「肝がすわっている」ように見えてしまう
車の中で「見た目が大事だぞ」とアイラインを引くのにも
妙に説得力がある(笑)
最後は本物の伝説の殺し屋に
映画屋の小道具がのほうが勝つというオチで
「映画は裏方に支えられている」という
使い古されたテーマが明かされるのです
ここも「デラ富樫」がしっぽを巻いて逃げるんじゃなく
「偽デラ富樫」村田を殺したと思わせて
(スーツの下には防弾チョッキを着ている)
カッコよく去ってもらったほうが良かった
そこで「カット」
村田はゆっくり起き上がって、「”荒野の用心棒”方式ですね?」
ボスからの謝礼をギャラだと思い込んだまま
村田は備後に「次の撮影の予定はあるんですかい」と尋ねると
備後は「いや、しばらく映画はやめて彼女と一緒に過ごそうと思う」と
備後のクラブの従業員(綾瀬はるか)を見つめる
「なるほど”荒野の七人”方式ですか」と笑う村田
そして夕暮れの「マジックアワー」の中、撮影隊は撤収していく
いかがでしょうか(笑)
ひとこと感想は「騙されるのなら、最後まで騙されたほうがイイ」
【解説】allcinema より
「ラヂオの時間」「THE 有頂天ホテル」の三谷幸喜監督が贈る痛快エンタテインメント・コメディ。とある港町を舞台に、映画撮影と思い込み本物のギャング相手に幻の殺し屋を嬉々として演じる無名の三流役者と、彼を騙し通して人生最大のピンチを切り抜けようとするしがないホテル支配人の男が繰り広げる大騒動を実力派キャスト陣の豪華アンサンブルで描き出す。出演は佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、西田敏行。
港町・守加護(すかご)。街を牛耳るギャングのボス・天塩の愛人・マリに手を出してしまった手下のホテル支配人・備後。はたして天塩に捕まり絶体絶命となってしまう。助かる唯一の条件として天塩が示したのは、5日以内に幻の殺し屋“デラ富樫”を連れてくること。条件を飲んだ備後だったが、そう簡単に見つかるわけもなく、最後の非常手段としてニセモノを用意することに。そこで備後は、映画監督になりすまして無名の俳優・村田大樹を雇うと、映画の撮影と称して彼に殺し屋“デラ富樫”を演じさせ、天塩の前に差し出すのだったが…。