「ハインリッヒ〜!」
海外向けの英語タイトルは「Welcome back, Mr.McDonald」(笑)
面白いか、面白くないかといわれれば
確かに面白いシーンもあるのだけど
韓国映画を見た後のような疲れがドッとくる(笑)
膨大なセリフを喚き散らす、しつこいやりとり
業界風のコジャレた小ネタ、強引な辻褄合わせと展開に
笑えるよりイラっとするのは私だけなのだろうか
人間の醜の部分ばかりを大げさに描き、とにかくウザい
作風的には伊丹一三を思い出すけど
やっぱり伊丹は映画を知っていたんだな
「ラジオ弁天」で、主婦(鈴木京香)が応募した脚本が
プロデューサー(西村雅彦)によって生放送のラジオドラマに採用
しかし放送直前に、ヒロイン役の女優(戸田恵子)のワガママで
脚本を変更することになります
これって芸能界だけでなく、政治でも、スポーツでも
大物の「鶴の一声」で突然仕事が変更になる”あるある”
そのたびに周りのスタッフは、なんとか丸く収めようと走り回り
あの手この手の対処法を考えるわけですが
言い出しっぺの当の本人は、何のおかまいもなし
できなきゃアンタをこの業界から消すだけ、のつもり
すると相手役(細川俊之)まで、彼女がそうだったら俺だってと言い出す
舞台は熱海から→ニューヨーク→シカゴになり
職業は主婦から弁護士、漁師からパイロットになり
今度はスポンサーのことも考えなきゃいけない
そのたびにナレーション(並樹志朗)で話をつなげ
ありえない設定に元音響の駐車場のおっちゃん(藤村俊二)を頼る
ディレクター(唐沢寿明)は、せめてラストだけは
オリジナルのままにしようと訴えますが
案の定番組から外されてしまいます
そんなこととはつゆ知らず
ラジオドラマに聞き惚れているトラック運転手(渡辺謙)
結局こういう人がひとりでもいたら
苦労をした甲斐があったということなのでしょうね
登場人物はもっと少ないほうが見やすかったでしょう
「アベンジャーズ」(2012)もですが(笑)
主役級が何人もいるのは、一見豪華なようだけど
見ていて散漫することをわかってほしい
だた、面白いか、面白くないかといわれれば
面白いシーンもある(笑)
【解説】allcinema より
「警部補 古畑任三郎」などで知られる人気脚本家、三谷幸喜初監督によるコメディ映画。三谷幸喜がかつて主宰していた劇団「東京サンシャインボーイズ」の同名劇をもとに、ラジオ局内で繰り広げられるドタバタ劇をコミカルに描く。スピーディなカメラワークやストーリー展開、ツボを突いた笑いなど、才人・三谷幸喜の冴えた手腕が見どころ。唐沢寿明、鈴木京香、西村邦彦共演。
生放送のラジオドラマを控え、緊張気味のスタジオ。初めて書いた脚本が採用された主婦のみやこも、直前のリハーサルを見学していた。そんな中、突然主演の人気女優が設定を変えたいと文句を言い始める。困り果てたプロデューサーは、みやこに脚本の書き直しを依頼。だが他の出演者も口々に不満を漏らしはじめ、メロドラマだった物語は次第にアクションへと変貌してゆく。