ジュディ 虹の彼方に (2019)

f:id:burizitto:20200312155758j:plain

「ぼくがドロシーを好きなのは、犬にやさしいからだ」

原題は「Judy」
ジュディ・ガーランド が47歳で亡くなるまでの約1年間
主に1968年に行われたロンドン公演にスポットをあてたもの

f:id:burizitto:20200312155824p:plain

レネー・ゼルウィガーのレジェンドに挑んだ勇気には拍手
本物のジュディと違いオスカーを手にしたことは
このところ休業状態だったレネーの再起に繋がると思います
顔はライザ・ミネリ役の女優のほうが似ていたけど(笑)

f:id:burizitto:20200312155837j:plain

作中ではいかにも威圧的なルイス・B・メイヤーが登場しますが
ジュディを知るのには、メイヤーの独裁より
大物プロデューサーアーサー・フリードを覚えておいたほうがいい

f:id:burizitto:20200312155857j:plain

彼こそキャスティング・カウチ(セックスをした相手に役や契約を回す)
で知られる有名人
しかも成人した女性だけでなく、子役にも手を出す変態
シャーリー・テンプルは彼からの誘いを拒絶したために
オズの魔法使い」を降板させられてしまい
代わりに13歳から性的関係を持ったジュディが抜擢されたのです

これはジュディの伝記ではなく
そうです「#MeToo(ミートゥー)」の映画なのです

f:id:burizitto:20200312155914j:plain

おまけに肥満気味だったジュディは痩せることを契約させられ
ダイエットのために麻薬を与え続けられます
これでは病んでしまっても当然
そうしてジュディは16歳で大スターになります

しかし私生活は乱れ、薬物とアルコールのせいで遅刻に撮影放棄
プロ意識を欠いた身勝手さにやがてMGMを解雇されます

f:id:burizitto:20200312155939j:plain

それでも、私も多くのファンと同じようにジュディが大好き
ジュディを責めるより応援してしまう(生まれていないがな 笑)
お気に入りは「イースター・パレード」(1948)
しかもクレジットはアステアよりジュディのほうが上
彼女の人気がいかに絶大だったかわかります

f:id:burizitto:20200312160026j:plain

本作は借金に困り、住む場所もなくなったジュディが
3番目の夫との間にできた子どもたちと暮らすため
ロンドン公演を決意します
映画界から干されてから、ジャズ歌手として成功したのは
グラミー賞を2度受賞)この夫の薦めがあったようです

f:id:burizitto:20200312160040j:plain

だけど映画の時と同じく、ステージも遅刻に突然の出演拒否
完全なる躁鬱状態、身体もボロボロ
それでも何度でも不死鳥のように蘇る

ベベちゃん助演賞は、あのゲイ・カップル(笑)
「虹の彼方に」を歌うシーンは感動的
最後全部さらっていきました(笑)

f:id:burizitto:20200312160057j:plain

ボヘミアン・ラプソディ」(2018)ほどではないけれど
ステージ・パフォーマンスも圧巻
いまさらだけれど、どうして「パラサイト」が作品賞なのか
理解できません(笑)

f:id:burizitto:20200312160111j:plain

 

【解説】シネマトゥデイより
オズの魔法使』『スタア誕生』で知られる女優・歌手のジュディ・ガーランドを、『シカゴ』などのレネー・ゼルウィガーが演じた伝記ドラマ。47歳の若さで亡くなる半年前に行ったロンドン公演に臨むジュディを映し出す。自ら全曲歌い上げたレネーをはじめ、フィン・ウィットロック、ジェシー・バックリーらが共演。監督を『トゥルー・ストーリー』などのルパート・グールドが務める。
ミュージカル映画のスターだったジュディ・ガーランドレネー・ゼルウィガー)は、遅刻や無断欠勤を重ねた結果、映画のオファーがなくなる。借金が増え続け、巡業ショーで生計を立てる毎日を送っていた彼女は、1968年、子供たちと幸せに暮らすためにイギリスのロンドン公演に全てを懸ける思いで挑む。