スタア誕生(1954)




イースター・パレード」も
落ちぶれたスターの再復活の作品でしたが
のんびりと明るいミュージカル映画でした

こちらは「スタア誕生」というタイトルではありますが
全編にわたり、切ない雰囲気が漂っていましたね

ノーマンは今でいうならジャスティン・ビーバーのような
お騒がせアイドル
そんな彼が泥酔して舞台に立った時
アドリブで見事に乗り越え観客の歓声を受けた
巡業バンドの無名歌手エスター(ジュディ・ガーランド

ノーマンはエスターの才能を見出し
自分のコネで彼女を映画デビューさせます
やがてふたりには愛が芽生え、結婚

だけれど、アルコール依存症
かっての身勝手な行動が原因で仕事も失ってしまうノーマン
一方のエスターは実力を評価されアカデミー賞を受賞します

そして迎える哀しい結末


途中、セピア色のスチル写真で紙芝居のようになってしまっているのは
やはりジュディが撮影放棄してしまったせいなのでしょうか

それでも、キューカー監督の手腕によって
ジュディはキュートに輝いているし
さすがの歌唱力には圧倒されてしまいます

「The Man that got away」「SWANEE」は
彼女の録音の中でも、この歌声が最高と言われているそう






しかし、実際にアカデミー賞を受賞したのは
モナコ王妃に内定した「喝采」のグレース・ケリー
(花を持たせるため政治力が働いたともいわれています)

そして、ジュディが輝かしい脚光を浴びることは
二度となくなるのです

リアル「スタア誕生」と没落
葬儀の後、ベールをはがされるヒロインの顔が
脳裏に焼き付く

ミュージカル・シーンにおいては言うまでもなく傑作
ある程度のジュディの生涯を調べてから鑑賞すると
より深く、心に闇を落とす気持ちになれるでしょう



【解説】allcinemaより
スタア誕生」のオリジナルとでも言うべき「栄光のハリウッド」の監督G・キューカーが手掛けた再映画化版。コーラス・ガールのエスターが、ハリウッドの大スター、ノーマンに素質を見いだされた。ノーマンの口利きによって、エスターは次第にスターの階段を登っていく。そしてエスターは、ノーマンに対する深い愛情を覚える。だが、彼女がオスカーを手にするまでに至ったとき、ノーマンは落ちぶれて自殺をしてしまう。エスターは、一度は引退を決意するが……。