ジャッジ 裁かれる判事(2014)





ロバート・デュヴァルが史上2番目の高齢で
オスカー候補に挙がったのは嬉しかったですね
しかし助演男優賞受賞は、納得の「セッション」J・K・シモンズ
あああ、なんでお前が、よりによってこの年にっ!

ロバート・ダウニー・Jrも素晴らしい出来でした
「アイアンマン」のトニー・スタークとかぶるのは拭えませんが(笑)
デュヴァルビリー・ボブ・ソーントン様の二人が
わきをしっかり固めているので、安定感があります





悪名は高いけれど腕のいい
弁護士ハンク(ロバート・ダウニー・Jr)は
稼いでいて奥さんも美人、娘も可愛い
だけれど仕事ばかりで離婚の危機にありました

そんな彼が、母の訃報のため故郷のインディアナに帰ります
かねてから折り合いの悪い父ジョセフ(デュヴァル様)とは
やはり喧嘩ばかり
母の葬儀を終え、さっさとシカゴへ帰ろうと飛行機に乗りますが
兄のグレンから「父が逮捕された」と連絡が入り引き返します
そして父の弁護をしようとするのです





仲違いしてるけど、本当はお互いがお互いを大事に思っている
親は子どもが可愛いから、良い人間になってほしいと厳しくする
子どもも親を尊敬し、憧れているけど
命令されると思わず反抗し
親が望むのとは違う道に逸れてしまうのです

しかし、お金や名誉を得てからも
主人公が1番欲しかったのは父からの褒め言葉

「ありがとう」や「ごめんなさい」「愛してる」は
誰でも欲しい言葉だけど、アメリカ人にとっては
そういう言葉がより重要なのだと思います





そして私たちは、法律や政治の世界にいる人間たちのことを
法を利用して、魂や心がない片付けてしまいがちですが
彼らも誰かの親であり子であり
「愛」という平等の尺度が存在していることを知ります

父親は病気の治療の副作用で記憶障害が起きることがある
交通事故を起こして人を殺してしまったかどうかも覚えていない
「法律」を使えば、父親を無罪にできる
だけど判事であった父親は、頑なにそれを拒否するのです

自分が判決を下したすべてが無になってしまうと
そして、過去の間違った判決も
息子のことを思ったからだと知るのです





メタリカのTシャツ
古き良き時代のカントリー曲や
エンディング曲に使われているウィリー・ネルソンが
内容にぴったりあっていて、細かい演出が好感もてます

父親といい関係がもてない、素直になれない
そんな父子は世の中にたくさんいると思います
男性向け、とくにアラフォー男子が見たら
きっと共感するものがあるでしょう

ただ主人公が娘を思う気持ちがあるならば
元カノに心を奪われるより
ちゃんと奥さんとやり直して欲しかった
そこだけは残念でした



【解説】allcinemaより

ロバート・ダウニー・Jrとロバート・デュヴァルが父子役で初共演を果たした法廷ドラマ。地元で長年尊敬されてきた判事にして殺人の容疑者となった父と、その弁護を引き受けることになった絶縁状態の息子が、互いに確執と葛藤を抱えながら裁判に臨むさまを描く。監督は「ウエディング・クラッシャーズ」「ブラザーサンタ」のデヴィッド・ドブキン。
 母の葬儀のため久々に帰郷したヤリ手弁護士のハンク・パーマー。地元で長年判事を務め、人々の尊敬を集める父ジョセフとは折り合いが悪く、現在はほとんど絶縁状態。葬儀が終わり、早々に引き返そうとしていたハンクに思いも寄らぬ一報が入る。なんとジョセフが殺人の容疑で逮捕されたというのだ。ところがジョセフはハンクの弁護を拒絶してしまう。それでも、頑固に正義を貫いてきた父に限って殺人など犯すはずがないと確信していたハンクだったが…。