ミレニアム2 火と戯れる女(2009)





1作目ほどのセンスは感じられなかったものの

売春組織や国家機密、旧ソ連のスパイというような社会派テイストが絡み

国際謀略ミステリーファンにはたまらないものはありました


ハリエット失踪事件の共同調査から1

オーストラリアニュージーランドカリブ海へと
旅をしていたリスベット


探偵社の社長の言葉は胸に刺さりましたが

自分を気にかけてくれていた人がいたことをリスベットが知り
ミカエルに送る「友だちでいてくれてありがとう」の

感謝の言葉にジンときます






後見人である弁護士ビュルマンのPCをハッキングすると
レーザー・クリニックでイレズミ除去しようとしていることがわかりました

彼女ストックホルムへ戻り、ビュルマンの所有するコルト・マグナムで

後見委員会に提出してる報告書の問題がないよう

彼を再度脅して再認識させます

しかし不覚にもその時銃に指紋を残してしまうのです


そんなビュルマンの元を訪ねてきた金髪の大男

彼は「依頼人」(のちに”ザラ”であるということが判明)が

リスベットに関する資料を欲しがっているといいます

ビュルマンはその大男に彼女を黙らせてほしい

そして彼女が保管してるDVDと交換すると言います



そして、元後見人であったパルムグレン
2
年前に脳卒中で倒れ、今は施設に入居しています
リスベットの良き理解者であり、リスベットも彼のことを信頼しています
そしてミカエルに重要な事実を教えるキーマンのポジションになります





雑誌ミレニアム編集部にダグ・スヴェンソンと名乗る
フリーの記者がやってきます

ダグの恋人ミアは犯罪学の研究者でジャーナリスト仲間

ふたりは東欧での少女の人身売買を追っていました

そして、被害者側である少女たちを取材から

数人の高官、法務省の役人、警察官弁護士、裁判官、検事などの

顧客の実名を握り、記事にすれば一大スキャンダルとなるネタを持ち込んできました

その顧客中ので1人である公安警察官ビョルク、彼もまたキーマンとなります


しかしミアの本が出版されたあと

ふたりは何者かに射殺されてしまいました

凶器である銃の持ち主は、ビュルマン弁護士であることが判明

そのビュルマンも頭を撃ち抜かれ死亡していました

そして銃からはリスベットの指紋が検出されます


3人の殺害容疑で指名手配されるリスベット

迅速な調査を指示され、ブブランスキー警部補が担当となります

しかしミカエルはリスベットの無罪を主張します






黒幕は”ザラ”こと旧ソ連のスパイ、ザラチェンコ

参謀本部情報局で出世するも、収賄に手を染め

さらには彼の説得を試みようとしたマドリードの武官を殺害

スウェーデンへの政治亡命を果たします

そして国は彼の情報を小出しにして

諸外国から見返りを得ていたのです



国際謀略ミステリーファンって、こういう旧ソ連のスパイだとか

ボスニアの元兵士だったとか

そんなん出てきただけで興奮してしまうのですよね(笑)



金髪大男に襲われる元プロボクサーのパオロと

リスベットと肉体関係ももつミリアム

ふたりは一命を取り留め(炎の中のボクサー対決の3人の動きはカッコいい)
パオロの情報で大男はニダーマンという名のドイツ人で

先天性無痛無汗症の格闘家だということがわかりました

ニダーマンは全く痛みを感じない身体なのです



天才ハッカーなのに、最新ニュースは街のニューススタンドで知る

意外とアナログなリスベット(笑)

リスベットの呪われた過去が明らかになり

彼女は自分の過去と対決するために”ザラ”のもとへと向かいます


そして前作でリスベットに救われたミカエルが

今度はリスベットを救うために動き出すのです






リスベットとミカエルにの関係にしても

エリカ(旦那ありということ)とミカエルの関係のしても

お互い好きでも束縛しあわずに、男女の関係がドライですね

それでも好きな女性を必ず助けようとするミカエルには好感がもてます


一方テンションを下げたのがニダーマン(笑)

パオロとミリアムが助かったのは、それはよかったですけれど

小屋に火を放つのも、リスベットを生き埋めにするのにも

詰めが甘すぎます

しかも最後のあの退散のしかたは何よ(笑)


でももし「北斗の拳」を実写版で映画化するなら

ニダーマンが誰かの役で主演することは決定



ボロ布のようになってしまったリスベットと

斧で重症のけがを負ってしまった”ザラ”こと親父

そしてリスベットの無罪を証明するため「ミレミアム3」へと続くのです





【解説】allcinemaより

 全世界でセンセーションを巻き起こしたスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』3部作を映画化した北欧発のミステリー巨編、その第2弾。ある事件に巻き込まれ、殺人者の濡れ衣を着せられ逃亡を余儀なくされたヒロイン、リスベットの孤独な戦いと、混乱する警察捜査を尻目に、ミカエルはじめ彼女の無実を信じて独自に行動を開始した男たちの奮闘、次第に明らかとなっていくリスベットの衝撃の過去がノンストップで展開していく。主演は前作に引き続きノオミ・ラパスミカエル・ニクヴィスト。監督は新たに「刑事マルティン・ベック」シリーズのダニエル・アルフレッドソン。
 鼻ピアスに全身タトゥーの華奢な天才ハッカー、リスベットの協力でヴァンゲル家事件を解決し、晴れて月刊誌『ミレニアム』への復帰を果たした社会派ジャーナリスト、ミカエル。事件以来、リスベットとは連絡の取れないまま1年が経とうとしていた。そんな時、少女売春組織の実態に迫る特集記事の準備を進めていた記者2人が殺害される事件が発生、現場にリスベットの指紋が付いた銃が残されていたことから、彼女は殺人犯として指名手配に。過去のトラウマから誰も信じることのできないリスベットは、警察の追跡をかわしながら、たった一人で犯人と対決する道を選ぶ。一方、いくつもの状況証拠にもかかわらずリスベットの無実を信じるミカエルは、真犯人を突き止めるべく独自に調査を開始する。やがて事件の背後に浮かび上がる“ザラ”というキーワード。そんな中、痛みを感じない謎の金髪の巨人がリスベットへ迫っていくが…。