ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009)




原題は「TheGirl with the Dragon Tattoo/Millennium: Part 1
MenWho Hate Women(Mänsom hatar kvinnor)」
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(女たちを憎む男)」


ハリウッドリメイクのデヴィッド・フィンチャー
ドラゴン・タトゥーの女(2011)は見ていますが
「特捜部Q」が面白かったので、北欧ミステリーと相性がいいのかもと
今さらながらオリジナルも鑑賞しました
フィンチャー版も面白く、主演も豪華ですが
こちらの陰湿さと独特の雰囲気は癖になるものがあります

原作は今世紀最高のミステリーと言われ
全世界で1500万部を売ったということ
しかし作者は出版前に心筋梗塞で他界
伝説になったということです


原作者のスティーグ・ラーソンはこの一連の作品を通じて

スウェーデンの性犯罪率の高さを訴えたかったということ





冤罪により有罪になった、「ミレミアム」誌で働く
ジャーナリストのミカエル
その彼を、ある富豪一族であるヘンリックの依頼により
調査した探偵社で働くリスベット
彼女はなぜか、ミカエルに関心をもちます

ヘンリックはミカエルに36年前に失踪した少女
ハリエットの再調査を依頼します
調査は予想通り難解なものでした
そこでリスベットは”スズメバチ”の名で彼に情報を送ります


そのリスベットの新たな後見人の弁護士は
彼女の弱みに付け込んで全財産を没収し、レイプするような男でした

一方その一切を隠しカメラで録画され、リスベットに復讐されるのです





この性描写は、女性にとってかなり惨劇ですが
このシーンがあるからこそ、ヒロインに同情し思い入れが出来るのも確か
目には目を、尻には尻を
お腹に刺青を刻むシーンには気分すっきり


ミカエルはハリエットの調査を一緒にしてほしいとリスベットに頼みます
そしてハリエットもまた実父と兄によって
性的虐待を受けていたことが明らかになるのです





ミカエルがヴァンゲル家の謎もしっかり扱っていて
依頼人の捜査を最後まで律儀に達成したのはよかったですね
ナチスとの絡め方もうまかったと思います
ハリウッド版ではリスベットのキャラ押しが先に立ち
この辺はあいまいになっていました


サディズムと暴力の中で生き抜いてきたリスベット
ミカエルの大人のやさしさに、堅気に惹かれていくものの
ミカエルとも、そして自分自身ともうまく向き合うことができません
リスベットはミカエルが無罪である証拠を残し、そして去ります


ラストはパンクファッションで暗闇に消えて欲しいところでしたが(笑)
次作に続くのであれば、これでよかったのでしょう

そしてリスベットの過去が明らかになっていきます




【解説】allcinemaより

日本でも2009年のミステリー界に一大センセーションを巻き起こすなど全世界で話題騒然となったスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』3部作を映画化した北欧発のミステリー巨編。本作はその第1弾。社会派ジャーナリストの主人公と社会を拒絶して生きる小柄な天才ハッカーのヒロインが手を組み、孤島に暮らす大企業の経営者一族を巡る血塗られた謎に迫っていくさまを、巧みなストーリーテリングでスリリングに描き出していく。主演は「歓びを歌にのせて」のミカエル・ニクヴィスト。かつてない個性的なヒロイン像で熱狂的なファンを生み出したリスベット役には本作が初の大役となるノオミ・ラパス
 社会派月刊誌『ミレニアム』を発行するジャーナリストのミカエルは、大物実業家の不正を告発した記事で逆に名誉毀損の有罪判決を受け窮地に陥っていた。そんな彼のもとに、大財閥ヴァンゲル・グループの前会長ヘンリックからある調査依頼が舞い込む。話を聞くため、ストックホルムよりさらに北の町ヘーデスタの沖合に浮かぶ、本土とは橋1本で繋がる孤島ヘーデビーへと向かったミカエル。そこで説明された依頼内容は、40年前、ヘンリックが我が子のようにかわいがっていた16歳の姪ハリエットが忽然と姿を消した迷宮入り事件を改めて調査してほしいというものだった。依頼を請負うことにしたミカエルだったが、案の定、早々に行き詰まる。一方、ヘンリックの依頼で秘かにミカエルの身辺調査を行っていた天才女性リサーチャー、リスベットは、その後もミカエルのパソコンをハッキングし続け、偶然にも事件を巡るある重要な切り口に気づきミカエルに助け船を出す。情報提供者の正体を知ったミカエルは、リスベットに協力を要請、2人はコンビを組み真相究明に当たるのだったが…。