ゴーストランドの惨劇(2018)

 

原題は「Incident in a Ghostland」(ゴーストランドでの事件)

変態すぎる悪役に、ゴスロリなファッション、トリッキーな展開

怖いというより不快、いわゆる胸糞系ホラーでありますが

ビジュアルもいいですし、好きな人はもの凄く好き、というタイプの映画

終盤はちょっとウルっとさえしてしまいます

叔母遺言で相続した家を訪れることになった

コリーンと双子の娘ベスとヴェラ

小説家を目指す妹のベスはちょっと陰気な子で

一方の姉のヴェラは化粧も覚え、ハキハキした性格

道中キャンディトラックに追跡され、中指を立てるヴェラ

運転手はしっかりヴェラの様子を見ていたようで

トラックはヴェラたちの乗った車を追い越していきます

3人が古びた屋敷に到着すると、叔母は変わり者だったようで

家の中は(気味の悪い)骨とう品や古い人形でいっぱい

いざ新生活をスタートさせようとしたとき

さっきのキャンディトラックに乗っていた大男「ファットマン」と

大男の母親?女装男?魔女?の

「キャンディトラックウーマン」が突然襲撃してきて

ベスとヴェラは大男に地下室に連れていかれ、ヴェラは襲われ

逃げようとしたベスにおっさん魔女が立ちはだかります

ベスが何が目的か尋ねると

「人形と遊びたいだけ」と答えるおっさん魔女

母親のポリーンは娘たちを守るためキッチンの包丁を持って応戦しに行き

ふたりを殺害するのでした

それから16年後、ベスは人気小説家になっていて

画家のイケメン夫に、可愛いひとり息子

あの恐怖の夜を本にした「ゴーストランドの惨劇」はベストセラー

テレビのトークショーに出演すると

ヴェラから連絡があり、ベスは久しぶりにあの屋敷に戻ります

しかしヴェラは未だに事件のトラウマから抜け出せないままで

大男と魔女に見つからないよう、地下の防音室に閉じこもっていると

母親が打ち明けます

ベスもこの家に来てから、鏡に文字が浮かび上がったり

人形が動いたり、おかしな現象に戸惑います

その夜物音がして、ヴェラを見に行くと
ヴェラの手は火傷を負い、見えない何者かに殴られているように振舞い

次はベットに手錠をかけられて拘束されていました

ベスが「誰がやったの?」と問いかけると
ヴェラはベスに「もうこれ以上逃げないで!

「現実を見て!」と叫ぶのでした

16年後ベスは、ベスが現実から逃れるため描いた妄想でした

(夫や息子の姿は部屋にあった絵画やポスター)

母はあの夜殺され、ベスとヴェラはそれからずっと

魔女と大男に監禁されていたのです

ヴェラはベスを守るため、妄想を見続けているベスを隠し

ひとり大男に襲われ続けていたのです

この大男、見た目はおっさんだけど中身は人形遊びが大好きな幼児

(レイプシーンはないが、匂いなどのフェチぶりが生々しい)

魔女は母親のように大男の面倒を見て、大男のために女の子を誘拐し

女の子に化粧をしてお洋服を着せ大男に与える

(これも一種の奉仕プレイか)

人形が抵抗したり暴れたりすると、大男は怒り

女の子を殴ったり、ライターで手を焼いたりします

ベスが目を覚ますと、ヴェラはベスに人形のフリをしろといいます

しかしベスは耐え切れず、今度はベスが大男のおもちゃにされ

ベスはタイプライターで大男を殴り、ヴェラと逃げ出す決心をします

ここが姉妹の絆が深まる瞬間であるのですが

ふたりは道路にたどり着き、州警察官に助けられ事件は警察に報告されますが

そこに魔女がやってきて警察官たちを射殺

魔女に捕えられると再び妄想の世界へ逃避してしまうベス

そこは華やかなパーティ会場、ドレス、カクテル

憧れのH.P. ラヴクラフトに会い、小説が傑作だと告げられる

それでもヴェラを助けなきゃという気持ちがどこかにあった

会場の窓の向こうに必死に助けを求めるヴェラの姿

母親ベスを引き止める

でも行かなきゃ

すると世界は一変、ヴェラは大男に殴られ続けていました

ベスは魔女にかじりつき、大男の腕や指を食いちぎり

ヴェラを助けようとします

そのとき通報を受けた警察官が到着

魔女と大男は射殺されたのでした

ベスはヴェラと救急隊によって病院に運ばれる間

2階の窓から手を振る母親の姿を見ます

すると母親が指さしたのは投げ捨てられていたタイプライターでした

「君は強い、勇気がある」「スポーツでもしてるのかな?」という救急隊員に

ベスは「いいえ」「書くのが好き」と誇らしげに答えたのでした

(ヴェラも幸せになるんだよ)

屋敷の持ち主だった叔母と、大男と魔女はグルで

冒頭で新聞に載っていた「家族キラー」だったんでしょうかね

そういう謎も、もしかしたら2度3度見たら明らかになるかも知れません

(ならないか 笑)

 

 

【解説】映画.COMより

マーターズ」の鬼才パスカル・ロジェが6年ぶりにメガホンをとり、絶望的な惨劇に巻き込まれた姉妹の運命を、全編に伏線と罠を張り巡らせながら描いたホラー。人里離れた叔母の家を相続し、そこへ移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。奔放で現代的な姉ベラとラブクラフトを崇拝する内向的な妹ベスは、双子でありながら正反対の性格だった。新居へ越してきた日の夜、2人の暴漢が家に押し入ってくる。母は娘たちを守るため必死に反撃し、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにしてしまう。事件から16年後、ベスは小説家として成功したが、ベラは精神を病んで現在もあの家で母と暮らしていた。久々に実家に帰って来たベスに対し、地下室に閉じこもるベラは衝撃の言葉をつぶやく。出演はテレビドラマ「ティーン・ウルフ」のクリスタル・リード、「ブリムストーン」のエミリア・ジョーンズ。

2018年製作/91分/R15+/フランス・カナダ合作
原題または英題:Incident in a Ghostland
配給:アルバトロス・フィルム