バッファロー'66(1998)




インディー映画の傑作のひとつ
これも、ファンの多い作品ですね

ファンタジーのようなロマンス映画でした 
男性側の視点のみで都合よく作られていますが
ラストはとても気持ちがいいです


絶対4人は座っていないのが一目で分かる
4人のテーブルのシーンは小津カメラのようですし
ロリコンオタクが好むような体系のヒロインに
ギャロはかなりの親日家なのでしょうか


5年の刑期を終え、出所したビリー(ヴィンセント・ギャロ)
彼は政府の仕事で遠くへ行っていると両親に言っていました
しかも、妻までいると嘘をついていたので
ビリーはダンス教室でレッスン中だったレイラ(クリスティーナ・リッチ)を
拉致し、妻のフリをするよう脅します





しかし彼の本当の目的は、「ある人物」に会うことでした


立ち小便ができない、人が隣にいるとオシッコが出ない
冒頭からビリーの度胸のなさがわかります
にもかかわらず、とても自意識過剰なのです
親の評価が気になる
ベッドでは彼女の手さえ握れない

そんな彼の前に現れた最上級の「都合の良い女」
素直で従順で、自分が想像する以上に尽くしてくれるドMっ子
まるでダメ男を更生させるために、神様が遣わせてくれた天使





ビリーは「ある人物」を殺し、自殺をするつもりでした
しかし両親が自分の墓参りをしている妄想で
相変わらず母親はフットボールに夢中
父親は「腹が減った」と無関心でした

自分のやろうとしていることが
いかに無意味かやっと気が付くのです
そしてレイラの存在がいかに大事か悟ったのです


愛を知った瞬間の、世界が変わる様子がいい
熱いココアが美味しいこと
ハート形のクッキーが素敵なこと
そして幸せを分かち合いたいと思うこと

男は、付き合う女で変わります(笑)


もし、男性から「おすすめの恋愛映画」を訪ねられたら
この映画を薦めたいと思います

キング・クリムゾンやイエスの曲の使い方も逸品で
プログレッシブ・ロック好きの方も必見でしょう 




【解説】allcinemaより
ヴィンセント・ギャロを一躍スターダムに押し上げたラブ・ストーリー。愛を知らないアナーキーな男と、彼に惹かれる女の寡黙な愛を描く。グレーを基調にしたビジュアルや独特のスロー描写など、他に類を見ないアーティスティックな作風が見もの。共演にクリスティーナ・リッチ。5年の刑期を経て出所してきたビリー。仕事で家を離れ、両親に結婚したと偽っていた彼は、実家に戻るため通りすがりの女・レイラを拉致する……。