撃墜 3人のパイロット~命を奪い合った若者たち~(2014)




のちに「空の宮本武蔵」と呼ばれるようになる
旧日本海軍のエースパイロット、武藤金義

アメリカ海軍の元パイロット、ロバート・アップルゲートは
大戦で彼の紫電改を撃墜していたことを知らされます
退屈な老後の生活の中で、そのことは若かりし日々の
熱い気持ちを思い出すきっかけになったのでしょう

生きるか死ぬかの世界
高さとスピード
一瞬の判断がすべてを決める空中戦
そこは戦闘機のパイロットしか知らない世界
私には快感があるのだと思います

武藤は妻を愛し子どもを大切にする男でした
出撃せず、妻子のため基地でできる仕事もあったのです
たけれど飛びだってしまう

武藤に撃墜された、中国空軍の英雄
楽 以琴(がく いきん、ユエ・イーキン)は裕福な家庭で
医者を目指すエリートでした
母親思いのやさしい子だったのでしょう
しかし、その母を振り切り日本軍との戦いに挑むのです

ロバート・アップルゲートはふたりのパイロットに興味をもちます
国も人種も違うかっての敵同士
だけど、パイロットとしての気持ちは同じ
彼は日本へとやってきます

ドラマとして見るには悪くない作品でしたが
最近の戦争作品で残念なのは
軍人や戦争を美化しているような気がします
英雄にだって、もっと人間らしい葛藤があったはず

彼らは脳内モルヒネ中毒なのです(個人的な意見です)
戦闘の興奮から、刺激から、逃れられない

戦時中は花婿がいなくても、花嫁だけで結婚式を行っていたとか
そういう時代背景を知ることができたのはよかったですね

文化大革命で楽 以琴の墓が壊され
その後90年代に名誉回復したというエピソードも
感慨深いものがありました

3DCGアニメによるVFXも悪くはなかったけど
やっぱり本物のアクロバット飛行が見たかったですね
そこのところは紫電改萌え欲求不満で(笑)



【番組内容】NHKオンラインより
1984年、元米海軍パイロットのロバート・アップルゲートは、一人の歴史研究家から『愛媛県で引き上げられた旧日本海軍最強の戦闘機「紫電改」を撃墜したのはあなたではないか』と告げられる。操縦していたのは名パイロット・武藤金義であると言う。自分が撃墜したのはどんな男だったのか。調べるうちに、武藤も初陣で中国空軍の英雄を撃墜していたことを知る。3人の不思議な因縁。大空に散った2人の人生をたどり始める。