ベニシアさんの四季の庭 (2013)




ベニシアさん、私は知りませんでしたが
ガーデニングやハーブの専門家として
テレビなどで活躍されている方なのですね

古民家を改造した家
四季の花やハーブが生い茂るイングリッシュガーデン
手作りに囲まれた生活
貴族出身のお嬢様
愛する夫

端から見たなら
女性が憧れるすべてのものをもっている
そんな素敵な女性
でもその人生は、とても波乱万丈のものでした

しかしベニシアさんには
どんな困難にも立ち向かう強さを感じます

その理由のひとつは、自分の人生の大きな選択肢さえ
自分の勘とひらめきだけで決定するからなのでしょう
そこのところ、すごく大雑把(笑)

でも、この作品の一番の見どころは
ベニシアさんと、写真家である夫の
梶山さんとの関係ではないかと思います

総合失調症となってしまった前夫との間の娘に手がかかってしまい
梶山さんのことまでかまってあげられなかったのでしょう
夫はフランス人女性と駆け落ちするため家を出ていきます

この梶山さんの、真実を包み隠さない告白には驚かされます
彼のこんなにも率直で素直な心情に
ミドルエイジクライシスとはどういうものなのか
女性としても深く考えるものがあるでしょう

そして、ベニシアさんのやさしさ
許す心の大きさにも、また驚かされるのです

こんな寛大で女丈夫なベニシアさんの姿や暮らしを見ると
多少の仕事の忙しさや、家族の悩みに負けちゃいかん!と
しみじみ感じてしまいますね(笑)

自分の人生で起こったことは
自分の人生の肥料にしていけばいいのです
棄ててしまいたいことも、ちゃんと豊かな栄養になるのです

最初は単なるナチュラル・エコな素敵映画と思いましたが
意外にもしっかりとした家族ドキュメンタリーでした
男性でも充分に鑑賞に堪えられ、考えさせられる作品と思います



【解説】シネマトゥディより
伝統ある英国貴族の家系に生まれ、現在は京都・大原の古民家に住むイギリス人女性ベニシア・スタンリー・スミスさんを追ったドキュメンタリー。テレビ番組「猫のしっぽカエルの手 京都大原ベニシアの手づくり暮らし」で紹介されたハーブを使用したレシピや生活と共に、いかなる状況でも前向きで笑顔を絶やさない彼女が歩んできた試練多き半生にも迫る。約100種類のハーブが育つベニシアさん手作りの庭や、大原の美しい自然を堪能できる。