オードリー・ヘプバーン(2022)

原題はAudrey

オードリー・ヘプバーンのドキュメンタリーで

よくある関係者によるインタビュー形式のもの

 

といっても1929年(昭和4)生まれのオードリーが

生きていたとしたら93

彼女の黄金期を共に過ごし知る人がそういるわけでもなく

「知られざる素顔に迫った」という謳い文句にかかわらず

すでにウィキペディアに書いていることばかり(笑)

逆に最初の夫メル・ファーラーとの間に出来た

4度の流産とメルの女性問題で離婚)

長男ショーンと孫娘エマのインタビューはあるのに

 

2番目の夫、アンドレア・ドッティ(イタリア人の精神科医)との

10歳年下だったアンドレアの200人以上の女性との浮気で離婚)

次男のルカのインタビューがない謎に突きあたってしまいます

オードリーと息子たちの関係は良好だったようですが

オードリーの死後、遺産は半分ずつ分けると遺言はあったものの

衣装や宝石類、映画の脚本や賞

名前、肖像、イメージを巡って法的に争い

解決できていないんですね

 

これは天国のオードリーが悲しんでいることでしょう

 

作品としては、オードリーの主演作や演技うんぬんより

終盤に描かれているユニセフ親善大使だった姿が主題だと思います

父親との別れ、戦争、バレエダンサーになる夢の挫折

女優、結婚、母親という経験をして昇華させた結果が

たぶんユニセフへの貢献だったのでしょう

妖精のような外見とは裏腹に映画関係者からは

「ビロードの手袋の中の鉄拳」とあだ名されたそうですが

その気の強さと、「オードリー・ヘプバーン」の名前を武器に

飢えた子どもたちのために人生を捧げることを選んだのです

3世代の女性バレエダンサーを起用して

オードリーの人生をダンスで表現したのはいらなかったですね(笑)

それよりはオードリーの残した映画の名シーンや

セリフをもっと紹介すべきでした

特にオードリーが愛し息子たちに読み聞かせたという

サム・エヴェンソンの詩は感動的で

今ではオードリーの明言の代名詞にもなっているそうです

魅力的な唇になるためには 

優しい言葉を話しなさい

愛らしい瞳になるためには 

人の良いところを探しなさい

スリムな体型になるためには

お腹を空かした人に食べ物を分けてあげなさい

 

大人になれば自分にも 

ふたつの手があることに気づくでしょう

ひとつは自分ため 

もうひとつは誰かを助けるため



【解説】映画.COMより

世代を超えて愛され続けるハリウッド黄金期の伝説的スター、オードリー・ヘプバーンの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。幼少期に父親による裏切りに遭い、ナチス占領下のオランダという過酷な環境で育ったオードリー。初主演作「ローマの休日」でアカデミー主演女優賞を受賞し、映画スターとして輝かしいキャリアを築きあげる一方、実生活では幾度も離婚をし、愛される喜びを得られずにいた。晩年にはユニセフ親善大使など慈善活動を通して多くの人々に癒しと救済をもたらし、生涯をかけて「愛すること」を信じ、与えることを貫いた。映画では貴重なアーカイブ映像をはじめ、俳優リチャード・ドレイファスやピーター・ボグダノビッチ監督ら映画関係の仲間たち、息子や孫、友人ら近親者のインタビュー映像を交えながら、名声の裏側に隠された本当の姿を浮かび上がらせていく。