アフリカの女王(1951)




「ホワイトハンター ブラックハート」ではこの作品の撮影時の
ヒューストン監督の傍若無人ぶりが描かれていました
キャサリン・ヘプバーンものちに「『アフリカの女王』とわたし」という
著書を記していますし、かなりのエピソードをもつ作品なのでしょう

さすがに特撮映像は今となってはかなり古臭いですが(笑)
撮影は相当困難だったということは見てよくわかります
名俳優、大女優がこれほどにまで、ボロで、汚く
臭く(ニオイはしませんが 笑)なってしまうなんて!


雑貨等なんでも運搬のボロ船「アフリカの女王号」船長チャーリー(ボガード)
薄汚く、飲んだくれだけれど、憎めないお人好し
アフリカのあるドイツ軍に占領されてしまった村から
お堅いオールドミスの宣教師、ロ-ズ(ヘプバーン)を救うため船に乗せます

しかしローズはお上品な外見とは裏腹に
かなり破天荒でお転婆でした
ドイツ軍の基地の前は通れ、荒川を下れ
挙句の果てには魚雷を作って、ドイツ軍の戦艦を爆破すると言い出す始末

あきれてしまうチャーリーでしたが
いくつもの困難をかいくぐっていくうちに
ふたりには愛情が芽生えてきます
そして苦しいながらも、充実した時間を過ごすのです


当時の イギリス=正義の文明国 ドイツ=悪 アフリカ=未開 
は、製作国の愛国心からだと思います

本当に描きたかったのは、宗教家の兄のため
婚期を逃し、堅苦しく抑圧された生活を送っていた女性が
自由奔放な男性と知り合ったことで
自分の身も心も解放されるところにあるのでしょう


撮影時はハンフリー・ボガートは52歳(男優賞受賞)
大人の冒険アクション&ロマンティックコメディ
息もぴったりで、体当たりの素晴らしい演技を披露しています

レトロですが十分に楽しめる
さすが伝説の名作と言われるだけのことはあります



【解説】allcinemaより
 第一次大戦下の東アフリカ。船長チャーリーと宣教師の妹ローズを乗せた蒸気船“アフリカの女王”号は河を下っていくが、彼らの行く手には激流や大瀑布、そしてドイツの戦艦が待ち受けていた! C・S・フォレスターの冒険小説を、H・ボガートとK・ヘプバーンという見事なキャスティングでJ・ヒューストンが映画化した傑作ロマン活劇。船上で繰り広げられる二人の芝居から、クライマックスの敵の砲艦襲撃シーン、そしてラストシーンの意表を突く展開まで、いろいろな意味で目を離させない面白さだ。後年、この作品と監督J・ヒューストンをモチーフにクリント・イーストウッドが手掛けたのが「ホワイトハンター ブラックハート」である。