コスプレ史劇萌えはあまりしないタイプなのですが
この作品に限ってはとても好きです
何より話が分かりやすい
善悪がはっきりしていて感情移入しやすい
この寡黙でタフな役柄のラッセル・クロウに
当時はすっかりやられ、ファンになってしまいました(笑)
ホアキン・フェニックスの演技も特筆もの
卑怯で、イヤらしく、変態の情けない皇帝を
見事に演じ切っていると思います
金 正恩(キム・ジョンウン)と今では比べてみるのもいいでしょう
独裁者の孤独というものは、家族を殺害してしまうほど
人間性を歪めてしまうものなのでしょうか
ネルウァ=アントニヌス朝(西暦96年 - 192年)のローマ帝国
最後の戦いを終え英雄となったマキシマス将軍を
皇帝アウレリウスは後継者にすることを決め
退廃してしまったローマを立て直したいと考えていました
それを知ったコモドゥスは皇帝を暗殺し、自らが皇帝となります
そしてマキシマスを殺すように命じるのです
コモドゥスの近衛兵達から逃れたマキシマスは故郷へと急ぎます
しかし彼を待っていたのは生きたまま焼かれ絞首刑となった
妻と幼い息子の姿でした
行き倒れになったマキシマスは奴隷商人に拾われ
剣闘士団を運営するプロキシモに売られます
そしてスペイン人というあだ名の剣闘士(グラディエーター)として
人々から絶大な人気を得ていくのです
CGの剣闘シーンはどうかなと思いましたが
テレビの画面大で見たせいか気になりませんでした
虎を交えながら戦うシーンは実に見事
映像美にこだわるスコット監督の力量がうかがえます
そして剣闘士同士の友情がいいのです
お互い明日死ぬか知れない命
だけど皆、すでに家族は戦で死に独りの身なのでしょう
死ぬときは家族に会いに行くとき、そう語り合います
兵士たちも最後は誇りを選び、マキシマスの遺骸を掲げます
孤独に生きたコモドゥスは、死んでも孤独で
誰にも振り向いてもらうことはできませんでした
本格的スペクタクル映画ファンのかたが見たならどうかわかりませんが
私のように歴史や宗教に詳しくない人間が見るにはオススメ
ローマ史のことをいっこも知らなくても大丈夫(笑)楽しめます
指で麦の穂を撫でるシーンが印象的でした
お気に入りです
【解説】allcinemaより