ジェシー・ジェームズの暗殺(2007)


原題はTHEASSASSINATION OF JESSE JAMES  

 BY THE COWARD ROBERT FORD

臆病者ロバート・フォードによるジェシー・ジェームズの暗殺

 

プラピが制作・主演というだけで私にとってつまらない映画になる

「オレ様」俳優でも、トムクル様はトムクル様アクション

ジョニデ様はジョニデ様カメレオンという

オレ様スタイルはまだ許せるのですけれど

 

ブラピ様はバカ野郎な脇役がいちばん似合うくせに

社会派気取りで演技派のつもりか、というのが気に入らない

それから、ナレーションやモノローグをダラダラ入れる人は

映画を作らなくていい

まあ、私の偏見なのですけれど()

 

元南軍兵士で兄のフランクとともに列車強盗や殺人を繰り返していた

ジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット

しかし一方では弱者には優しかったと伝えられ

誇張したストーリーによって伝説のヒーローにまつりあげられていました

そんなジェシーを崇拝するロバート・フォード(ケイシー・アフレック)が

強盗団の仲間として加わります

 

この作品のジェシー・ジェームズは常に疑心暗鬼になって

かっての仲間を殺していくだけの男なので

なぜ人々から愛されているのかが、まず伝わってこない

 

ジェシー・ジェームズを知るには
ミネソタ大強盗団1972)のほうがよほどの逸品
 

強引に土地を買いあさる鉄道会社に西部の人々は苦しんでいました
そんなとき強盗団として鉄道会社を痛めつけた
ジェームズ兄弟とヤンガー兄弟の一団は住民の英雄となります。
そのためミズリー州議会は彼らの罪に恩赦を与えますが
一方の鉄道会社は恩赦の前に強盗団を皆殺しにしようします
よほどわかりやすい
 

 

こちらはどちらかといえば、同性愛的
ジェシー・ジェームズに憧れて、愛しすぎた男ロバート・フォード

 

枕の匂いを嗅いだり、風呂を覗いたり()

そんな愛してやまない男が、実は仲間を殺す保身だけの男だった

いつ銃を向けられ、殺されるかもわからない

誰もが冷え冷えとしたつくり笑いに支配されている食卓

次第にロバートがジェシーに殺意を覚えていくのも当然でしょう

 
 
そんなロバートの誤算は自分の実力を過信しすぎたこと
ジェシーの洞察力が鋭く、嘘を全て見抜かれてしまうこと
そしてジェシーを暗殺すれば称賛の的となり
自分がジェシーになれると勘違いしてしまったのです

 

だけど違いました
死後ジェシーはますます英雄化され
ロバートはジェシーを背後から撃った男として人々から軽蔑される
そしてかってのロバートのようにジェシーを崇拝するひとりの男に
撃ち殺されてしまうのです
 

とにかくジェシー・ジェームズがカリスマに見えないのがネック

アメリカではわかりませんが、日本人のように

ジェシー・ジェームズを元々知らない人には

まったく無用の映画になってしまったというのが事実でしょう

 


【解説】allcinemaより

アメリカ西部開拓時代の伝説的アウトローにして、いまなお南部の人々に愛される英雄ジェシー・ジェームズと、彼を慕いながらも最終的に彼を背後から撃ち殺した卑怯者としてその名を残すロバート・フォードとの切なくも皮肉な運命を、荒涼とした西部の美しい風景と共に描くウエスタン・ドラマ。出演は、ジェシー・ジェームズ役にブラッド・ピット、ロバート・フォード役にケイシー・アフレック。監督は「チョッパー・リード 史上最凶の殺人鬼」のアンドリュー・ドミニク
 南北戦争後、仲間を率いて強盗や殺人など無法の限りを尽くした重罪人、ジェシー・ジェームズ。一方で、戦勝軍である北軍側政府の圧政に苦しむ南部州民からは抵抗の象徴として次第に英雄視されていく。そして、最初の強盗から15年あまりが過ぎた1881年。長い逃亡生活で神経をすり減らすジェシーだったが、兄フランクと新たな列車強盗を企てようとしていた。そんな彼の前に、自分を懸命に売り込もうとする一人の若者が現われる。ジェームズ一味のメンバー、チャーリーの弟で、ジェシーを人一倍崇拝する小心者の青年ロバート・フォード。フランクが相手にしようとしなかったこの青年を、ジェシーは一存で仲間に迎え入れるのだったが…。