小さな巨人(1970)




これも洋画ファンからは評価の高い作品ですよね

10歳で孤児になり、シャイアン族に拾われ育てられたジャック
白人との戦いで命の危険が迫ったとたんに
白人側に寝返り

インディアンに襲われれば「俺は小さな巨人だ!」と
再びシャイアン族の仲間入り

ペテン師とつるんだり、軍隊に入ったり、落ちぶれたり
性格も生活も結婚もなんとなくテキトーな嘘つき男

でも世渡りはうまいのでしょうね
愛されキャラなのかもしれません
おかげで妻まで何人ももってしまう(笑)

青年から121歳までを演じるホフマンの演技は特筆もの
良家の夫人から娼婦に身を持ち崩すのはフェイ・ダナウェイ
彼女の主演作の中では一番色っぽい気がします
こういう役もしていたんですね

良かったのはネイティヴ俳優であるチーフ・ダン・ジョージ
穏やかだけれど貫禄がありますね
滅びゆくシャイアン族を知っていたのでしょうか
「死ぬにはいい日だ」と達観しています

映画の中で、白人はどうして女を殺すのかという質問に
女は子孫を残すからだと答えるシーンがあります

こんなふうに優しい民族は根絶やしされていき
残酷な人々ばかりが勝ち残り
今日の世界になったんだな、と思ってしまう

なんだけど、全体的にはおおらかな作品でしたね
テーブルに足が届かないホフマンにウケる(笑)



【解説】allcinemaより
リトル・ビッグ・ホーンの大虐殺の唯一の生き残り、ジャック・クラブの数奇な半生を描く。幼い頃に両親を殺されたジャックは、インディアンに育てられた。彼は、身は小さいが勇気があり、他の仲間から“小さな巨人”と呼ばれるまでになった。やがて彼は、騎兵隊との戦闘で捕らえられ、その後は白人社会で生活するようになる。それは、インディアン撲滅に異常な執念を燃やす、カスター将軍を押さえるためであった……。白人とインディアンの二つの異なる世界でそれなりにうまくやってきた男の回想録を、D・ホフマンの熱演(特殊メイクによる老け役もこなす)を得て映像化したA・ペンの問題作。