炎のごとく(1981)

        


ただひとりの女性を激しく愛した
無鉄砲で血の気の多い男の物語。

会津小鉄」と呼ばれた侠客、仙吉に文太兄ぃ。
賭場の斬り合いでけがをしたのを
瞽女(めくらごぜ/鼓を打ったり三味線を弾いたりなどして
門付(かどづ)けをする盲目の女旅芸人)にのおりん助けられます。

なぜおりんはやくざな仙吉を助けたのか
愛したのかその理由はわかりません。
でも目が見えない分、人の心の中を
見透かすことができるかもしれない。

仙吉は乱暴者で人殺しでしたが
情に厚く、女性には弱く、やさしい男でした。

おりんの賠償美津子さんが色っぽいですね(笑)
おりんは優しく、ただひたすら好きな男に尽くす
命さえも捧げるそんな女性。
母親のように偉大な愛情を注ぐのです。

おりんが死んだとき仙吉は子どものように叫び
泣きじゃくる。

私的にはここで終わってもよかったかなと
思ったのですが(笑)

2部がありました(笑)

会津藩の御用を預かることになった仙吉は
新選組とかかわりあうようになります。

八百屋の娘あぐり新選組の若者、佐々木は一目ぼれ。
仙吉は侍はいかん!とふたりの交際に大反対。
でも組のみんなにはめられて二人の結婚を許すのです。

ここらへんの文太兄ぃは実に可愛い(笑)
さすが昭和の映画界を引っ張ってきた大スターのひとり。
愛されキャラですねえ。
大阪弁は私が聞いても微妙だったけど(笑)

だけど当時の新選組は悪名高く、悪行に女性に暴行。
新選組局長の芹沢鴨は、あぐりを差し出せと佐々木に命令します。
駆け落ちをする佐々木とあぐり
しかし新選組によって殺されてしまうのです。
敵を討つため芹沢を襲撃する仙吉。

そして池田屋事件、長州軍の京都へ侵攻
蛤御門の変へと物語は展開していきます。

・・・長いよ!(笑)

そんなにスケール大きくしないほうが
いい作品になっていたのではないでしょうか。

でも女優さんはみんな、魅力的に撮れていました。
若い子は若いなりに、熟女は熟女なりにイイ女(笑)

加藤泰監督は女性の色気を引き出すのが
うまい方なのかもしれません。

ただ・・・長いよ!



【解説】allcinemaより
飯干晃一の小説『会津小鉄』を加藤泰が脚色・監督。加藤にとっては最後の劇映画となった。一人の女を愛し続けながら、幕末の乱世を生きる博打打ちを描く。
 問屋の息子の仙吉は人を殺してしまい大阪を追放、博徒となって諸国を放浪しているときに瞽女のおりんと知り合った。京都に着いた仙吉はおりんのために賭場での仕事を得るが、賭場荒らしを刺殺してしまう。さらに鴨川の中州河原に賭場を開くが、名張屋のシマだったため子分たちに襲われ、おりんが殺されてしまう。復讐を誓う仙吉だったが、親分衆に止められ泣く泣くあきらめた。大阪で旧友の山崎烝と再会した仙吉は、その仲間である新選組の隊士たちの世話をするようになるのだが…。