野郎どもと女たち(1955)





マーロン・ブランド主演のミュージカル映画なんてあるのですねえ。
まったく彼のイメージではないのでびっくりしました。

チョイ悪そうだけど、おしゃれで超ハンサム
だけど歌はあまり上手じゃない、ブランド様なのに!
でもそのヘタクソなのが妙に可愛くて
独自の魅力を引き出していますね。
シナトラはもうブランドの引き立て役になってます。笑

ゴロツキを集めて賭場を開くためのお金を捻出したいネイザンは
賭博師のスカイと、スカイが救世軍の女性軍曹サラをナンパできるかどうか
賭けをします。

伝道所の深夜大集会を盛会にするという約束をし
スカイはサラをキューバに連れ出します。
そこでお酒を飲みすぎ、はじけてしまうサラ。
スカイは純真で愛のあるサラの姿を見ます。
賭けのつもりだった、でもサラに本気になってしまった。
ニューヨークに戻り伝道所を満席にしたスカイは
サラの前から去ろうとするのです。

当時のアメリカとキューバ
日帰りでハバマ旅行するような関係だったのですね。

この作品、ビリー・ワイルダー監督などが監督したら
もっと傑作になったと思いますね。笑
もっとコミカルでおちゃめなストリーで
女の子は好きにならずにいられないくらいキュート。
そんな名作ミュージカルができそうな展開。

ワクワク感が感じられなかったのが
この作品の残念なところなのでしょう。
しかし良いシーンはたくさんありました。
特に終盤の世にも恐ろしいマフィアの連中が借りてきた猫のように
懺悔し改心するような場面は結構好きです。
ラストのブーケキャッチもよかったですね。
テーマには、やはりキリスト教の教えがあるのかも知れません。

なにはともあれ、あの、あの、あの
ラスト・タンゴ・イン・パリ」「ゴットファザー」「地獄の黙示録」の
ブランドが終始楽しく歌って踊っている・・・その姿を見れるだけでも
ムービーファンにとって貴重な1本になること間違いはないでしょう。



【解説】allcinemaより
ブランドとシナトラが組んで粋なお父さんを演じるミュージカルというだけで嬉しくなってしまう、デイモン・ラニヨン原作の短篇の舞台版を、マンキウィッツが映画用に仕立て直した作品。詞・曲はF・レッサーで、これといって秀でた歌はないが、ブランドが自分の声で可愛く歌う数曲は、その男の艶気でぐっと聴かせる。
 サイコロ賭博じゃNY一と謳われるネイサン(シナトラ)が資金不足で賭場が開けず、男の沽券をなくそうという時。ヴェガスから帰った賭け事の天才、スカイ(ブランド)と二千ドルを張って、救世軍の娘サラ(シモンズ)を一晩デートに誘えるかで賭けをする。救世軍のおエラ方も舌先三寸でうまく丸めこみ(何しろ聖書の知識はセーラより豊富)、彼女をハヴァナまで連れ出すデートも豪華版。ミルクと称して出されたラム酒にしこたま酔ったサラは、クラブで大いに酒乱ぶりを見せつける(この場面でのダイナミックな群舞は見もの。振付はマイケル・キッド)。やがて、恋を語らう二人だが、約束通りその夜のうちに彼女を帰したスカイが、救世軍本部で見たものはサイコロ賭博に興ずるアンちゃんたちが、ガサ入れに来た警官たちから脱兎のごとく逃げるさま。騙されたと怒るサラたちに“明日の晩12時までに悪党一ダースを集会によこす”と誓ったスカイはネイサンがはめられている地下室の賭場に乗り込んで、恋を賭けた一世一代の大バクチに出る。一方、14年越しの婚約者の踊り子アデレーン(舞台でも同じ役を演じ好調のV・ブレイン)をはぐらかし続けたネイサンも、警察の目をゴマかす嘘がヒョウタンから駒となり、ついに年貢を納める気になって、スカイたちと合同のタイムズ・スクエアでの挙式がフィナーレに。とにかく、野郎ども二人が水を得た魚のようにいなせに決めて、それは男性専科のミュージカルと呼びたいカッコよさである。