レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い(1994)





20世紀初頭のモンタナ。

厳格な父親ウィリアムと
真面目で頭が良く品行方正な長男アルフレッド
自由奔放で先住民風ライフスタイルな次男トリスタンは
先住民の一家と暮らしていました。

そこに素直でやさしい末っ子サミュエルが
婚約者スザンナを連れて帰ってきて一緒に暮らし始めます。

スザンナは聡明で、乗馬も射撃の腕前も一流でした。
三兄弟はみんなスザンナのことが好きになります。
しかし時代は第一次大戦、イギリス軍がドイツに苦戦していると知り
父親の反対を押し切り三兄弟は戦争に行きます。

トリスタンは必ずサミュエルを連れて帰ると
父親とスザンナに約束します。
しかしサミュエルはトリスタンの目の前で戦死してしまいました。
弟が死んだのは俺のせいだと、トリスタンは自分を責めます。

サミュエルの死後、長男アルフレッドはスザンナに愛を告白します
けれどスザンナが選んだのはトリスタンでした。

父親も、サミュエルも、スザンナも
なぜみんなが自分よりトリスタンを愛するかわからない・・
ルフレッドは家を出て猛烈に働き成功し
やがて議員まで登り詰めます。
それでも認めてくれない父親・・・

トリスタンもスザンナを置いて旅に出てしまいます。
そして何度季節が巡っても彼は帰ってきませんでした。
ついには「他の男と結婚してくれ」と手紙がきてしまいます。
ついにアルフレッドと結婚するスザンナ。

トリスタンは本当はやさしい男なのです。
兄がスザンナを愛していたことを知り
スザンナと一緒に暮らせなくなった、私はそう思います。

トリスタンが大切なのは何より家族なのです。
それは血の繋がりや人種さえ関係ありません。
先住民族である使用人に対する思いも家族同様に
愛しているのです。

どこかでアルフレッドとスザンナが結婚して幸せに暮らしている・・
そんな噂を聞いたからなのでしょう。
トリスタンは長い旅から帰ってきたのです。
そして長年トリスタンを待ち続けた使用人の娘イザベルと結婚し
子どもを授かり幸せに暮らします。

しかし酒の密売で生計を立てていたことから
裏社会や警察の人々に目をつけられてしまう・・
犠牲になったのはイザベルでした。

刑務所に入ったトリスタンに再び愛を告白し
拒まれてしまったスザンナ。
トリスタンは兄から、死んだ弟から、スザンナを奪えなかっただけなのです。
その気持ちをわからなかったのでしょうか
スザンナは哀しみから自殺してしまいます。

男性は気が付かないかもだけれど
女性にとって子を産めないのは
絶望に近い苦しみがあるのではないかと思います。

家族の絆、家族愛の物語でした。
「リバー・ランズ・スルー・イット」にも雰囲気が似ていましたね。
映像も美しい。

ジェームズ・ホーナーによる壮大な音楽は素晴らしいですし
スター俳優の競演も豪華、それなりに見ごたえある仕上がりでしょう。



【解説】allcinemaより
 戦いの記憶から逃れる為、深い山奥の牧場で生活を送る元騎兵隊の父と3人の息子達。時は流れ、息子達はそれぞれの思いを胸に人生を模索してゆくが、強大な運命がやがて一家を巻き込んでゆく……。自然美溢れる雄大な映像、心揺さぶられるストーリー展開、繊細でかつ叙情的な心理描写とどこをとってもスキのない感動巨編! 観て絶対損ナシ!