vol.1よりもこちらの後編のほうが
トリアー・ワールドだったと思います。
私の感じるトリアー監督の世界・・
それはヒロインをとことん「惨め」にして
どん底まで堕とします。
ルコント監督がソフトならトリアー監督はハード。笑
多淫なジョー。
あまりに多くの男性とセックスのし過ぎで
性器は何も感じなくなってしまい
完璧な不感症になってしまいます。
それでもジョーを愛してくれる男性と結婚し子どもも授かりますが
ジョーは感じるために更なる刺激を求めて行きます。
あまりに痛そうで思わず目をつぶってしまいました。
しかしこういう性癖のある女性が満たされる相手や場所は
限られているのでしょう。
何人もの女性がお仕置きをされるのを
主人から部屋に招き入れられるのををじっと待ちます。
しかし生身の人間なのです。
そんな過激なプレイを続けていたら
身体がボロボロになってしまうのは当然です。
そして若さも美しさも失われていく・・・
性欲だけを残して。
自分を「ニンフォマニアック」(色情狂)というジョー。
でも、私から見たらそこには色気も情もない。
決して満足することができず
ただひたすら快感を追い求めているだけ。
しかも命がけでです。
セリグマンもまた性で満足をしたことがなかった男なのです。
見果てぬ夢をかなえてみようとしたのかもしれません。
行動を起こさない小児性愛者の話は印象的でした。
そういう人のほとんどは
自分の性癖を隠しつづけて生活しているのだと。
セックスについての、哲学か精神分析のような物語。
博学すぎるセリグマンはいったい何者だったのでしょうか。
【解説】シネマトゥディより
セックスに取りつかれた女性が歩む波乱に満ちた半生を、『アンチクライスト』などのラース・フォン・トリアーが2部作形式でつづった異色ドラマの後編。1人の男を愛しながらも、さまざまな者たちと体を重ねてきた女性がたどり着く衝撃的な結末を映す。前作に続きシャルロット・ゲンズブールがヒロインにふんし、その脇をジェイミー・ベルやウィレム・デフォーといった実力派が固める。数奇な物語を巧みに紡ぐトリアー監督の手腕に加えて、シャルロットが繰り出す大胆なつやっぽさも見もの。