アンチクライスト(2009)



 
苦痛系変態映画
こんな変態でなくて良かったと思います
(どんな変態ならいいのでしょうか 笑)
 
 
難解な作品でした
これを読み解いていきましょう
 
タイトルの「アンチクライスト」とは
キリストに反するもの(悪魔のこと)
anti christの最後のtが♀になっているので
女性の悪魔という意味なのだそうです
 
 
子どもの転落死から立ち直れない妻
セラピストである夫は彼女を救おうと
エデンと呼ばれる森に連れて行き過ごし始めます
 
妻は森のことを「悪魔の教会」と呼びました
そしてその森には、鹿(悲嘆)と
キツネ(苦痛)と
カラス(絶望)が
住んでいました
 
 
 
この夫はとてもやさしく、妻に献身的で理解があるように見えます
でもそれは、妻を支配しようとしているから
しかし妻はなかなか彼の思い通りになりません
それどころか性欲は過剰になり、だんだんと凶暴になっていきます
 
性欲を優先するため、子どもまで殺してしまう
 
 
夫はキリスト
 
 
 
 
子どもへの虐待を指摘された妻は怒り狂い
夫の性器を殴打し、足に穴をあけ重石まで付けてしまいます
なのに、苦痛と暴力に対する興奮
勃起し射精してしまう夫
 
 
この作品のすべてが、聖書を「アンチ」に描いているそうです
エデン(楽園)はカオス(混沌)となり
東方の三賢人は三人の乞食
 
森の小屋はキリストが誕生した馬小屋
しかし誕生してしまったのは「アンチクライスト
 
 
かってのキリスト教では、女性の性欲は悪という考え方で
本当に女性の性器を切り落とすこともあったそうです
トリアー監督の嗜好もあるかも知れませんが
さすがにこのシーンには、私も悲鳴をあげました
 
 
なんの救いもなく、絶望だけで終わるトリアー・ワールド
だけど時間が経つと、なぜかまた味わってみたくなる
 
 
動画サイトではいくつかのシーンを
無修正版でも見れるそうです
 
勇気のあるかたはどうぞ(笑)
 

 
【解説】allcinemaより
ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ドッグヴィル」の鬼才ラース・フォン・トリアー監督が、シャルロット・ゲンズブールウィレム・デフォーを主演に迎えて撮り上げた衝撃の問題作。愛する息子を事故で失った夫婦が悲嘆と絶望の中で辿るあまりにも残酷な運命を、美しくかつ衝撃的な映像で描き出していく。プロローグとエピローグを含む全6章で構成。悲痛にして大胆不敵な演技を披露したシャルロット・ゲンズブールは、みごとカンヌ国際映画祭主演女優賞に輝いた。
 夫婦が愛し合っているさなかに、目を離していた幼い息子がマンションから転落死してしまう。深い悲しみと自責の念で精神を病んでいく妻。セラピストの夫は、自ら妻の治療に当たるべく、彼女を人里離れた森の奥の山小屋に連れて行く。妻を救いたい一心で、懸命に心理療法を施す夫だったが…。