アギーレ/神の怒り(1972)

 

原題は「Aguirre, der Zorn Gottes」

伝説の黄金都市エル・ドラド探す遠征(1560〜61)で知られ

エル・ロコ(狂人)というあだ名で呼ばれていた

バスク系スペイン人ロペ・デ・アギーレがモデル

アギーレは自らを「神の怒り」と称していたそうです

とにかく凄い映画でした

プーチンやネタニヤフのように権力を持った者が

なぜそこに住んでい人々や逆らう人間を殺しても平気なのか

私たちに彼らの思想は理解できないけど

ベルナー・ヘルツォーク知っている

「大陸に純血の王国を築き、その国王になること」

冒頭の山越えボロボロのイカ激流に飲み込まれそうになる

一体どうやって撮影したの?

本当は死者が出たんじゃないの?と思わせる

命がけのロケーション

ニュー・ジャーマン・シネマの巨匠ヘルツォークの名を

世に知らしめた傑作と言って間違いないでしょう

1560年、ゴンサロ・ピサロによる指揮のもと

エル・ドラドを発見(征服)するため

アマゾンの奥地に分け入っていくスペインの探検隊

しかしあまりに険しい道のりに、残りわずか食料

本隊は偵察のため4艘イカダで40名の分遣隊(ぶんけんたい)を出すことにします

(特定の任務を遂行するため、一時的または独立して派遣される部隊のこと)

ただし1週間以内に戻らなければ、消息不明(死んだ)とみなし

本隊は引き上げることを伝えられます

ピサロは分遣隊長にウルスア

副分遣隊長アギーレ(クラウス・キンスキー)を指名

遠征に出ると、ひとつのイカダは急流の渦に巻き込まれ

ひとつのイカダは、ウルスアが遺体を埋葬するための本隊に戻ろうとしたことから

アギーレによって遺体ごと沈められ

ひとつのイカダは夜の間に増水した川に流されてしまう

(意図したものでなく、実際に増水によって流されたらしい)

残るイカダはひとつ

アギーレはウルスアに反旗を翻し

本隊には戻らず分遣隊だけでエル・ドラドを目指すと言い出します

反対するものは殺され、ウルスアも重傷を負ってしまいます

アギーレはウルスア代わりにスペイン王国から派遣された唯一の貴族

ドン・グスマンこそ分遣隊長にふさわしく

エル・ドラドの初代国王だと祭り上げます

グスマンは(茶番的な裁判で死刑を宣告された)ウルスアに

恩赦を与えるという思慮深い一面もあるものの

大食漢で食料は独り占め

(残された分遣隊の数日分の食料にもなる)馬の鳴き声がうるさいと

イカダから突き落としてしまうという無知

食料は何もしなくても手に入ると思っているお坊ちゃま

しかし実質上の支配者はアギーレ

それでもウルスアの愛人であるイネスだけ

アギーレの行動に反対する勇気を持っていました

ウルスアを助けるため修道士のガスパールに相談しますが

ガスパールもまた宣教という名の下、ある意味アギーレと同じ

異教徒を殺すことを厭わぬ男だったのです

下流を続けイカダに、先住民の男女の乗るカヌーが近づいてきて

男の首には黄金の首飾り、どこで手に入れたか詰め寄るアギーレ

男は(食人族を威嚇するために放った大砲の音を)

先住民の言い伝えである「神のお告げ」だと説明します

そこでガスパール男に聖書(神のお告げ=福音)を渡すと

男は聖書を耳に当て「何も聞こえない」と聖書を投げ捨てたことで

ガスパールは(黄金のありかも聞かずに)男を殺してしまうのです

グスマンは残された(献上された?)先住民の女とテントの中で過ごすと

(女に殺されたか、隊員たちの食べ物の恨みか)グスマンは死体で見つかります

副隊長のアギーレはこれからは自分が隊長だと宣言すると

陸に上がりジャングルでウルスア絞首刑にします

ジャングルで隊員たちを見つけた先住民(食人族)は「肉だ!肉だ!」と騒

先住民の村を見つけた隊員たちは食料を漁り「塩だ!塩だ!」と貪

そんな中、ウルスアったイネスはひとりジャングルの奥へと向います

イネスの姿が消えたとたん、消える先住民たちの気配

(イネスは自ら生贄(自殺)になる道を選んだのだろう)

そこからさらに下流を続ける隊員たちでしたが、飢えと熱病

見えない襲撃者による矢の攻撃で、次々死んでいく隊員たち

背の高い木のてっぺんに止まっている帆船

目に見えているものが現実なのか幻なのかもわからない

足に刺さった矢幻かと呟く黒人奴隷のオケロ

「本物だ!」と叫ぶアギーレ

アギーレの愛娘、フローレスの胸にも

フローレスアギーレの腕の中で息を引き取

気がつけばイカダにはアギーレと、どこから現れたのか大量の猿だけ

その時アギーレエル・ドラドを目指した本当の目的がわかります

「我が娘と結婚し、純血の王国を築く」ため

(トランプや金正恩娘を溺愛しているのに似ている)

これは450年以上前の話じゃない

アギーレのような独裁を目指す征服者の魂は

死んで肉体は滅んだとしても、永遠に生き続けているのです

 

 

【解説】映画.COMより

ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ベルナー・ヘルツォーク監督が、16世紀にアマゾン奥地の黄金郷を目指したスペイン探検隊の壮絶な運命を描いた傑作アドベンチャー。1560年、スペインの探検隊は伝説の黄金郷エルドラドを目指し、アンデス山脈最後の峠を越えようとしていた。周辺の様子を探るため分遣隊を送ることになり、隊長ウルスアや副長アギーレとその娘ら数十名が出発する。しかし厳しい自然や熱病、先住民の襲撃によって隊員たちは次々と命を落とし、分遣隊は内部崩壊してしまう。隊を掌握したアギーレは、狂気の赴くままにジャングルを突き進んでいくが……。クラウス・キンスキーがアギーレを熱演。

原題Aguirre, der Zorn Gottes

1972年 西ドイツ 91分