原作の小説、漫画、アニメ、人気の作品ですね
ラストは定番の「余命もの」とは違う
ちょっとしたどんでん返しがありました
盲腸の手術をした病院で「共病文庫」と書かれたノートを拾った僕(北村匠海)
そこには膵臓(すいぞう)の病気で
あとわずかしか生きられていないことが書かれていました
ノートの落とし主はクラスメイトの桜良(さくら 浜辺美波)でした
それからというもの桜良は僕に近づき話しかけ
同じ図書委員になり「仲良しくん」と呼ぶようになります
「君の膵臓を食べたい」は桜良が僕に答えるセリフで
昔の人はどこか悪いところがあると
肝臓が悪ければ肝臓を、胃が悪ければ胃を食べると
病気を治ると信じていた、から
でも見ていくうちに、桜良は病気を治したいだけではなく
「僕」と一緒にいたい、一緒になりたい、君になりたいという
気持ちが含まれていることがわかります
やがてそれはふたりの合言葉のようになっていきます
本はタイトルで9割売れるといいますが
これは本当にうまいタイトル
作品とは関係ない話なんですが、私が田舎で勤めていたころ
国立大学を合格したのを蹴って就職してきた後輩がいたんです
聞いた話によると病気の妹さんがいるので進学を諦めたということ
その妹さんが中学校に進学すると
学校の帰り、毎日職場に寄って帰るんです
まあ昔のことで、田舎でしたしたからね
背が小さくて眼鏡をかけているんですけど、すごく可愛いんですよ
お喋りで、いつもニコニコしていて愛嬌があって
誰とでも仲良くなれる、アイドルというかマスコット的存在
でも中学3年生になった時かな、死んじゃったんです
さすがの私もショックで母に尋ねたんです
「どうしてあんないい子が病気で死ななきゃならないの」って
母の答えはこうでした
「命の短い子は、その分多くのものを神様からもらっているからだよ」
その時のことを思い出してウルっときましたね
桜良は決して自分の気持ちを打ち明けない
いつも明るく、笑って、喋っている
だから見る側も「僕」と同じ目線で桜良を見てしまいます
桜良の秘密を知った責任として「やりたいこと」リストに
付き合わされることになった僕
焼肉ホルモン、ラーメン、スィーツパラダイス
博多旅行、オトコノコといけないこと
「言いなさいよ 僕と友達になってもらえませんか」
「教え方うまいね 先生になりなよ」
それでも、桜良の命は短いかも知れないけれど
その日までは生きられると思っていた、一緒にいれると思っていた
だけどそんなの自分の思い上がり
彼女が退院し、桜を見に行く約束をした日
僕が「君の膵臓をたべたい」とメールしたその日
桜良は事件に巻き込まれて死んでしまいます
桜良の母親から渡された「共病文庫」に書かれていたのは
桜良が打ち明けることのなかった本当の気持ちでした
彼女はもっともっと生きたかったのです
「・・・もう泣いてもいいですか」
閉館される図書館の本を生徒と整理する教師になった僕(小栗旬)は
桜良がお気に入りだった「星の王子さま」を見つけます
そこには僕と、桜良の親友の恭子に宛てられた手紙が入っていました
その日は恭子(北川景子)の結婚式(相手はガム君かよ! 笑)
式場に向かった僕はウェディングドレス姿の恭子に言います
「僕と友達になってもらえませんか」
そして僕への手紙にはこう書かれていました
私ね 春樹になりたい 春樹の中で生き続けたい
ううん そんなありふれた言葉じゃだめだよね
そうだね 君は嫌がるかもしれないけど 私はやっぱり
「君の膵臓をたべたい」
メロドラマとしても、もちろんうまくできているわけですが
別れはいつ来るかわからない
当たり前なんかない
いまを大切に生きなければならないことを
改めて考えさせられる佳作
ただ桜良が死んでからの12年間僕がなにを考えていたか
なぜ教師を辞めようと思っていたのかは、疑問(笑)
【解説】ウィキペディアより
監督は月川翔、脚本は吉田智子、主演は浜辺美波と北村匠海 (DISH//)のダブル主演となる。原作にはない12年後の世界が描かれており、高校生時代(原作)のエピソードは過去として扱われている。
母校に勤める高校教師の僕は、ある時、取り壊しが決まった図書館の蔵書の整理を頼まれる。高校時代、図書委員として書庫の整理ばかりをしていた僕は、懐かしい図書館で書庫の整理の邪魔ばかりしていたクラスメイト、桜良のことを思い出す。
桜良は12年前、僕が盲腸で入院していた時に、偶然拾った日記の持ち主だった。その日記「共病文庫」を読んだ僕は、彼女が膵臓の病気で余命僅かであることを知ってしまう。その日から、クラスの人気者の桜良が僕に急接近したことで桜良の親友の恭子が、桜良の「一番の仲良し」の座を奪った僕に反発する。学級委員長である隆弘やガム君ら、今まで話したことのなかったクラスメイトと会話をするようになり、僕の世界が広がり始める。
そんな中、僕は彼女の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合うことになる。一緒にスイーツを食べに行ったり、福岡に旅行に行ったりして、人と関わりを持つことが苦手だった僕は、彼女と一緒に過ごす内に、彼女に心を開き始める。同時に、他者と関わらなければ知ることのなかった喜びや、人を傷つけることの痛みを知っていく。
一方、現代の恭子は結婚を目前に控え、桜良のことを思い出していた。桜良が大切なあまり、恭子は僕を傷つけていた。僕はそんな恭子から結婚式の招待状を受け取る。