タイヨウのうた(2006)



「かっこよくない優しさに会えてよかったよ」


XP色素性乾皮症(欧米では「ムーンチャイルド」と呼ぶ)
日本における色素性乾皮症患者は、約500

皮膚の露出部紫外線にあたると紅斑や水疱が発生し、火傷のようになり
損傷を受けた遺伝子が修復されないため皮膚がんになりやす
神経障害を伴う群では、若年のうちに死亡する可能性が高く
日本人に多いA群の重症例では約3分の220歳までに死亡
しかし現在リハビリなどにより神経症状の進行を遅らせることができ

寿命は延びているそうです




そんな病気で夜しか出歩けない16歳の女の子、薫(YUI)が恋をする

それは明け方、いつもサーフボードをバイクに積み海に向かう

ちょっとオバカっぽい(笑)高校生、孝治(塚本高史


ある夜、親友の美咲(通山愛里)を連れて駅前で歌っていると

その男の子が通り過ぎていきます

慌てて追いかけていく薫




雨音薫です

16歳です
両親と暮らしてます
趣味は音楽です
性格はちょっと短気です
彼氏はいません
いつも見てました
ずっとずっと見てました


彼氏はいません
1
人もいません


好きな動物はチーターで、好きなバナナは食べ物で

好きなアーティストはたくさんいすぎて・・




バス停を動かしたり、なかなか閉められないヘルメット

こういう不思議ちゃん天然キャラに男子諸君は弱いと思う

(その後、何事もなかったように普通の女の子になったのは残念)


でもストリートライブの帰り道

水平線から見える朝日を見せたいという

孝治の想いが災いしてしまいます


しかも担当医から、神経症状が発症

近いうちに全身に広がり、死が訪れることを告げられてしまうのです




塚本高史クンがいいですね

将来のことなんか何にも考えてなくて

勉強もロクにせず、サーフィンに夢中(でも下手くそ)

友達とふざけてばかりの日々


そんな自分が彼女にしてあげれること

それは薫の歌をCDにしようとすることでした

そのためには大事なサーフボードまで売り

ひたすらバイトに励む夏休み




ただ大きな問題は、ドラマとしてのレベルが高くない

その最大の原因はヒロインがXPである必然性が

悲劇性を強める設定にしかなっていないからです


そのことは、お父さんの(防護服を)「脱いじゃえ 脱いじゃえ」

というあり得ないセリフにも強く感じさせられました


むしろ、客も居ないのに路上ライヴやるほどのへの想いは何だったのか

彼女が難病と闘えたエネルギーは歌ではなかったのか

そこをメインに描いた方がよかったのではないでしょうか




でも夜の鎌倉や横浜、江の島の風景は素敵で

踏切でほっぺた引っ張ってからチュ・・とか(笑)


若い監督(撮影当時25歳)の感性は光っていたと思います




【解説】allcinemaより

シンガーソングライター、YUIが映画初主演した感動ラブ・ストーリー。太陽にあたることのできない難病を抱えた少女と太陽の下でサーフィンに明け暮れる少年との切ない愛を瑞々しく描く。共演は「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」の塚本高史。監督はこれが長編デビューの小泉徳宏
 海辺の街に暮らす16歳の少女、雨音薫。彼女は太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気のため、昼間眠り、夜になると活動する不自由な毎日を送っていた。それでも家族や親友に支えられ、そして何よりも大好きな歌を歌うことで、日々を明るく生きていた。そんな彼女の密かな楽しみが、毎朝サーフボードを抱えて海へと向かう少年を部屋の窓から眺めること。彼は18歳の高校生、藤代孝治。ある夜、いつものように公園で弾き語りライブをしていた薫は、目の前を通り過ぎる孝治に気づく。衝動的に彼を追いかけた薫は、勢い余ってそのまま愛の告白をしてしまうが…。