恐怖の岬(1962)

 
 
「神経戦を仕掛けてきた」
 
 
面白かったです
より私は好きです
マジキチスマイルのデ・ニーロも怖かったですが
ロバ-ト・ミッチャムの気持ち悪さひとつで(褒めています)
ここまで不穏な雰囲気と恐怖感を出すのは凄い
 
エルム街の悪夢」(1984)のフレディは
このミッチャムがモデルですね
 
 
音楽は多くのヒッチコック作品を手がけたバーナード・ハーマン
彼の音楽を聴いただけで
これから先、ものすごく悪いことが起きる予感(笑)
 
 
 
 
8年の刑を終え、出所してきた
マックス・ケイディ(ロバ-ト・ミッチャム)は
裁判で自分に不利な評言をした弁護士
サム・ボーデン(グレゴリー・ペック)のことを逆恨みし
彼と彼の一家に付きまとうようになります
 
ケイディを何とか町から追い出そうと
警察署長(マーティン・バルサム)に相談するサム
しかし法律を犯していない以上、警察は何もできません
そこで腕利き探偵(頭髪のあるテリー・サヴァラス)を
雇うことにしましたが
ケイディのいやがらせには抵抗し切れません
 
 
誰から見てもケイディが犬を毒殺し、女性に暴行し
娘を脅えさせている事は明白
 
我慢しきれなくなったサムはチンピラ3人を雇い
ケイディを襲わせますが失敗
逆に弁護士資格剥奪の危機になります
 
 
 
 
ミッチャムが本当にいやらしいですね
爬虫類のようなオーラを全身から発散させています
(褒めています×2)
そのうえ恐ろしく頭がいいからタチが悪い
(でも頑張ってお腹をひっこめて演技しているところはカワイイ)
グレゴリー・ペックも悪くはないですが、完全に負けています
 
そして娘のナンシー役のロリ・マーティン
15ということですが、背が低いのですね
ホットパンツや水着という衣装もあって
ロリータ的な魅力でいいです
 
そんな美人の奥さんと娘を犯すぞというような
圧力をかけてくるケイディ
 
しかしサムはそのことを逆手にとってケイディをおびき寄せ
正当防衛を装って暗殺しようと計画します
正義感溢れる弁護士だった男が、だんだんと悪党に同化していく
 
 
 


ただクライマックスはちょっと強引でした
編集のせいでしょうか
岸辺の建物からナンシーがケイディに連れ出されますが
いつの間にかナンシーはいなくなり(笑)
サムの前にケイディが現われ激しい戦いになるのです
 
見つめあうサムとケイディは、そのあとどう決着をつけたのか
電話線を切られているのに、どうやって警察を呼んだのか
そもそもなぜ対決の場所にジャングルを選んだのか(笑)
ケイディじゃなくても、娘が野生動物に襲われたらどうする(笑)
 
しかし当時は映画で性犯罪を扱うのには
これがギリギリの表現だったのでしょう
 
 
とにかくミッチャムの変質者ぶりは満喫できる作品
サイコキラーの隠れた傑作だと思います
 
 

 
 
【解説】allcinemaより

妻ペギーと一人娘ナンシーの3人で幸せに暮らす弁護士サムの一家。だがある日、マックスという男が刑務所を出所してから、その状況が一変する。重い性的犯罪を犯して長い間服役していた彼は、こうなったのも裁判でのサムの証言のせいだとして恨みを募らせていたのだった。そして早速サムの住む町へ現われ、復讐を開始するマックス。サムは一家を守るため、あらゆる対抗手段を講じる。しかし、ことごとくマックスにかわされるのだった…。
 逆恨みから平和な弁護士一家を執拗につけねらう犯罪者の恐怖を描いた、J・D・マクドナルド原作のサスペンス・スリラー。次第に嫌がらせがエスカレートしていく中、意を決した弁護士が全面対決を迎えようと舞台を“岬”に移してからがクライマックスとなる。R・ミッチャムが適役とも思える犯罪者に扮し、強烈な個性を発揮。後年、マーティン・スコセッシ監督により「ケープ・フィアー」としてリメイク(驚くほどオリジナルに忠実)され、この旧作も脚光を浴びる形になった