新・ガンヒルの決斗(1971)

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原題は「Shoot Out」(決闘)

カーク・ダグラスアンソニー・クインが対決した

ジョン・スタージェスの「ガンヒルの決斗」(1959)とは

全く関係ありませんでした(笑)

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ヘンリー・ハサウェイ最後の西部劇

プロットは「勇気ある追跡(1969) 

+ペーパー・ムーン(1973)という感じ

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銀行強盗で7年の刑を食らい出所した

クレイ・ローマックス(グレゴリー・ペック)は

彼を裏切り金を奪った相棒のサム(ジェームズ・グレゴリー)に復讐するため

ガンヒルの町に向かおうとするのですが

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金を貰おうとした昔の恋人から「あなたの子よ」と

生意気な6歳の女の子を託されてしまいます

預け先をあたってみたものの

(女の子は働き手にならないと)断られてしまい

結局一緒に旅をすることになってしまいます

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このデッキ―(ドーン・リン)という女の子がなかなか賢い

「おじさんはパパ?」と尋ねるけど、クレイは確信持てません

でも刑務所に入る前と出た後、年月的にはあっている


足手まといだと思っていたけど、ちゃんと馬にも乗れる

そんなふたりのキャンプのシーンが微笑ましい

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沼に投げ込まれ石鹸で洗われる

「ホーキー ポキー エル スエノー」のおまじない

フライパンのホットケーキが上空で消え、再び現れる

迷子になった野生の子馬が、再び母馬のところに戻る情景

だんだんと本当の娘のような愛情が湧いてくる

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途中(寂しいキッチンドランカーの)未亡人と

素直そうな息子が経営する牧場に宿を求めると

母子はふたりを歓迎してくれました

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しかし休息できたのもつかの間

そこにサムがクレイを連れてくるよう雇った、自称三銃士が現れ

クレイは囚われの身となってしまいます

 

その中でもボビーという親玉格のチンピラが下衆なんですね

デッキ―相手に、わざと震える手で

ウィリアム・テルのまねごとをしたり

それを止めようとした情婦を撃ち殺したり

デッキ―を誘拐し、仲間たちまで殺す

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隙を見てデッキ―は逃げ出したものの

クレイに追われ、報酬を受け取るために逃げ込んだ

サム(町の名士になっている、そしてクレイに償おうとしている)の家で

サムを殺したうえ彼の金庫の中身まで奪おうとします


しかし欲に駆られたせいで無防備になってしまい

かけつけたクレイに気付くのが遅れてしまいます

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クレイは家政婦に命じ、ボビーの頭の上にリンゴを乗せさせ

ボビーがデッキ―にしたのと同じように

ウィリアム・テルのまねごとをします

次は小さなグラス、次はもっと小さな薬莢

 

そしてわざと手を振るわせるのでした

(因果応報って本当にあると思う)

そして、ついに恐怖に耐えきれず

銃を抜いたボビーを仕留めるのです

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(クレイと和解する前にサムが死んでしまったのは残念だけど)

クレイが再び未亡人を訪ねると

デッキーは無事に牧場に戻っていました

 

再び「パパなの」と尋ねるデッキ―

「またその質問か」とはぐらかすクレイ

「じゃあ、なぜ戻ってきたの?」

「さあ、なぜかな」

 

本当に血が繋がっているかどうかなんて

今さらどうでもいいこと

本物の家族になることのほうが大切なのだから

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ハリウッド映画は、こういうおませな少女を描くのがうまい

それだけでも見る価値がある

誰でもその可愛らしさの虜になってしまいます


そして今度は、未亡人とその息子のためにも

甘いホットケーキを焼いてあげてほしい

「ホーキー ポキー エル スエノー」

魔法のおまじないと一緒に

 

 

【解説】KINENOTEより

復讐心にたぎる男に、絡みつく女心と澄んだ子供心。製作はハル・B・ウォリス、監督は「勇気ある追跡」のヘンリー・ハサウェイ。ウィリアム・ジェームズの原作をマーゲリット・ロバーツが脚色、撮影は「ロンメル軍団を叩け」のアール・ラス、音楽はデビッド・グルーシンが各々担当。出演は「レッド・ムーン」のグレゴリー・ペック、パット・クイン、ロバート・F・ライオンズ、スーザン・ティレル、ジェフ・コーリー、ジェームズ・グレゴリー、リタ・ガムなど。