打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)




学校のプール
花火大会
好きな女の子

男性というのは過去の思い出から脱却できないのだな
岩井俊二監督の頭の中を覗いた気分になり
こちらのほうが恥ずかしくなりました(笑)


泳ぎで勝った方を花火大会に誘うと決めていたナヅナ(奥菜恵
ユウスケが勝ち誘われますが、ユウスケ(反田孝幸)はドタキャンしてしまいます
ナヅナに好意を寄せていたノリミチ(山崎裕太)はそのことが許せなく
ユウスケを殴り、自分なら一緒にいてあげたのにと思いました
そして、もし自分なら・・の物語が展開していくのです





どこからどこまでがノリミチの空想のなのか
今ひとつ分からなかったのですが
そういうことを気にしてはいけないのでしょう

小学校高学年というのは、ちょうどこの映画のように
女の子の方が身体も大きく、圧倒的にマセています
そして女の駆け引きというものも、幼い頃から使うものです
「好きだから」「駆け落ちっていうのよ」なんてサラっと言ってしまう

男の子のほうはまだまだ子どもで
男同士で遊んでいるほうが男らしいという妙な思い込みがあります
それが女の子に影響されて、自然と少年から男に変わっていく


うまくいかなかったことを、あの時ああしていればなんて
人生そんなことばかり

小学生の頃、好きな女の子がいた男性なら
甘酸っぱい思い出が、きっと蘇る作品だと思います



【解説】allcinemaより
「Love Letter」「スワロウテイル」の岩井俊二監督が、フジテレビのドラマ枠『ifもしも』のスペシャル版として製作した(1993年8月26日に放映)、打ち上げ花火を巡って繰り広げられる少年少女の夏の一日を、瑞々しくも郷愁あふれるタッチで綴った作品。小学生最後の夏休み。その日は学校の登校日で、夜には花火大会が行われる。プールでは典道と祐介が50mを競おうとしていた。そこに、二学期には転校してしまうなずながやってきた……。“今どき”の少年たちが生き生きと描かれていて、彼らの言動ひとつひとつに逆に10年20年前に少年だった人間は心打たれてしまう。たしかにセンチメンタリズムに過ぎるきらいはあり、そこに抵抗を感じてしまう人もいるであろうが、印象的な挿入歌とともに、なにか抽斗の奥に大切にしまっておきたい気分になるうれしい一作だ。岩井監督は本作でTVドラマでありながら同年の日本映画監督協会新人賞を受賞するという史上初の快挙を果たす。それまで、フジテレビの深夜枠を中心に“知る人ぞ知る”存在だった岩井俊二を一躍日本映画の救世主にまで持ち上げた記念すべき作品。