スローなブギにしてくれ(1981)




want you  俺の肩を 抱きしめてくれ〜♪

オープニングの高速道路を走るシーンで使われている
南佳孝さんが歌う主題歌がいいですね
音楽がいいと映画に引き込まれます


片岡義男氏の書籍と「角川映画」との連動企画
当時20歳の浅野温子さんが武井咲ちゃんにそっくりで
めちゃくちゃ可愛いです
しかもお化粧していない顔のほうが断然可愛い

健康的な裸体も披露していて、80年代を代表する女優の浅野さんでも
この頃の映画では脱がなければならなかったのかと、時代を感じます

当時の浅野さんは角川のキャンペーンガール
角川映画が育てた女優の一人だそうですが
角川春樹事務所に所属していなかったので
角川三人娘(薬師丸ひろ子原田知世、渡辺典子)のような
アイドル的な扱いでは無かったということです


まだバブルな雰囲気はなく、70年代の青春映画の面影が残る愛憎劇
家出した高校生のさち乃(浅野)
それを拾って、途中で子猫と一緒に捨てたムスタングの男(山崎努
捨てられたさち乃を拾った青年ゴロー(古尾谷雅人





吉野家でバイトしてる少年ゴローと同居を始めるてさち乃
一方ムスタングの男は、福生にある旧米軍ハウスで
仕事仲間の男と敬子という女と共同生活をしていました

スナックで働き始めるさち乃と
アルバイト先でケンカをして仕事を辞めてしまうゴロー
そしてさち乃は再び、ムスタングの男に会いに行きます


自分のことしか考えないゴローと
一人の女では満足できない破滅型のムスタングの男
ふたりの男の間で揺れ動くさち乃の心
ふたりの男も自分から行けと放しておきながら
彼女がいなくなると必死で探すのです


劇中猫がたくさん出てきますが(猫の扱いはかなり可哀そう)
浅野さんがもう本当に野良猫なのです、捨て猫なのです
あんな瞳で上目遣いに見つめられたら、絶対拾って帰ってしまいます(笑)

ラストの解釈はどうすればいいのでしょう
さち乃は陣痛で倒れたのか、そうでないのか
ムスタングの男はなぜ心中しようとしたのか





永遠の繋がりを求めて、隣に乗せた女をさち乃と信じて
アクセルを踏み込み、男はムスタングで海に飛び込んだのでしょうか
でも、自分だけ死ねなかった

どうしてこう角川映画
ラストの訳をわからなくしてしまうのでしょう(笑)


そんな、雰囲気だけで見る映画でしたが
浅野さんが小悪魔的で、まるでフランス映画の女優さん
それだけでもう満足はできました



【解説】ウィキペディアより

1981年3月7日公開。東映角川春樹事務所による製作で、東映が配給した。浅野温子の小悪魔的な演技が話題となった。
脚本は「スローなブギにしてくれ」をベースに、「ひどい雨が降ってきた」「俺を起こして、さよならと言った」の2作品(いずれも片岡の小説)を織り交ぜたものとなっている。主なロケ地は、神奈川県大和市と東京都福生市
映画の撮影に先立ち「映画出演仔猫オーディション」が行われた。1980年10月19日に書類審査を通過した164匹の仔猫が銀座東映本社に集められ、その中から最終的に12匹の出演仔猫が選ばれた。この時の審査員は藤田敏八(監督)、浅野温子(主演)、江戸屋猫八、助監督の4人。
1981年1月4日の新聞紙上で「片岡義男ワールド」のシンボルマークのデザイン募集がプロ、アマ不問で一般公募された。最終的に選ばれたのはグラフィック・デザイナーの峰尾裕己のデザインで、その後「スローなブギにしてくれ」の映画宣伝や角川文庫の片岡作品のカバーデザインの一部として使用された。
角川春樹によれば、初日でも空席が目立った『スローなブギにしてくれ』の興行成績は辛うじて原価回収を達成した。