汚れた英雄(1982)




角川春樹の初監督作品

角川は映画という「商品」を売ったという意味では偉業をなしたと思います
その角川春樹が商売だけではあき足らず、メガホンを取ったのがこの作品
最初の1時間は当時のカッコイイと思わせるものを寄せ集めた
ダイジェスト版のような映像が羅列されます

主人公の住む豪邸(お約束の壁はコンクリート打ちっ放し)には
クリーニング屋も真っ青なクローゼットに
ジムにプール(しかも屋内)まであり
ゴージャスな美女(木の実ナナ)と付き合い、パーティに出かける日々
そして外資系の会社経営者の女性を口説きスポンサーになってもらうのです

自己満足的で現実味の無い演出は素人っぽく
前半の映画としてのレベルは正直低いです
しかも「アメリカン・ジゴロ」のパクリではないですか(笑)





それでも後半のロードレースでの
ライディング描写はなかなかのものでした
ヤマハ発動機の全面的な協力が得られたということで
ヤマハのレーシングチームによる走りは本物

草刈正雄さんのバイクスタントをした平忠彦さんは
長身で風貌が草刈さんに似ているため抜擢されたということ
この撮影の後、ヤマハで全日本500の王者(しかも三連覇)
国際GP出場も果たし、超一流のロードレースライダーとして活躍したそうです
本作でも見事な走りに、ため息がでました





画像で見たら当時の平さんも、イケメンでびっくり
本物を使って映画を撮影したほうが
良かったんじゃないかと思ったほどです(笑)

ストーリーはないも同然でしたが
それでも角川の商業戦略は、認めざるを得ないでしょう
実際この映画を見て、バイクの免許を取りに行った方は
かなりいるでしょうし

ヤマハのバイクも相当売れたのではないかと思います(笑)




草刈正雄さんよりいい男なんじゃない?(笑)

平忠彦(たいら ただひこ、1956年11月12日 - )は、福島県南相馬市(旧原町市)出身の元オートバイ・ロードレースライダーである。
端正な容貌、ダイナミックかつ緻密なライディング、人気と実力を兼ね備えたライダーであり、1980年代の国内ヤマハワークスでエースの地位を占めた。しかしスターにありがちな派手な言動は全く無く、穏やかな人柄で男女問わず多くのファンを獲得した。速さは勿論の事、卓越したマシン開発能力があり、ロードレース世界選手権 (WGP、現Moto GP) にすぐれたマシンを供給して、ヤマハのタイトル獲得に貢献した。



【解説】allcinemaより
大藪春彦の同名小説をもとに丸山昇一が脚本を執筆し、角川春樹が初めてメガホンをとった作品。撮影は仙元誠三。豪華なセット、スタイリッシュな映像、迫力のレースシーンが見どころ。
 SUGOサーキットで国際A級500cc決勝(全日本選手権ロードレース第8戦)が開催。バイクレーサー北野晶夫と大木圭史の宿命の対決は、ゴール直前で北野が大木に追い抜かれて終了、勝負は最終戦にもつれ込んだ。北野はその美貌とセックステクニックを駆使し、複数のパトロンからチーム維持のための資金を得ていた。10億ドルの遺産を引き継ぎ国際的なコングロマリットのオーナーになったクリスティーン・アダムスが来日すると、北野はさっそく彼女に接近し、見事に資金を調達するのだった。そして北野はついに最終戦を迎えるのだが…。