ゴッドファーザー(1972)




もちろん「お気に入り」(笑)


これは、私がムービーファンになるきっかけになった
作品のひとつでもあります

初めて見たのは、確か中学生くらいでテレビの吹き替え版でした
記念すべき、最初のロバート・デュヴァル様萌え
だったのではないでしょうか(笑)


私の勝手な解釈では、音楽の良い映画は内容も良い
それは作り手が細部にまでこだわっていると思うからです
ニーノ・ロータの甘く切ない曲がここでも抜群
終盤にバッハをもってきたのも冴えている

改めてこういう偉大な作品を見ると
最近の映画がいかにお子様なのかと思ってしまいます
約3時間という長尺であるにかかわらず
まったく飽きさせずに見事

カメラはアレン映画でも活躍したゴードン・ウィリス
ビスコンティ的な描写が作風にぴったりとあっています
ウィリスはこの映像の暗さをレンブラントの絵画に例えたようですが

ドンの娘のコニーの結婚式から物語は始まり
クリスマスの日のビトー・コルレオーネの狙撃
シシリー島でのマイケルの結婚式と、最初の妻の爆殺
コニーの夫の裏切り、ソニーの死
次兄フレドとの微妙な関係に、マイケルを恨むコニー
五大ファミリーによる権力闘争
そしてケイとの夫婦としてのすれ違い

張られた伏線も、展開も、実にうまい
そして主演者全てが、役柄にぴったりなのです
ジェームズ・カーンがイタリア系に見えないのはおいといて 笑)

名シーンが多すぎて語り切れない傑作
その中でも、ひとつだけ選ぶとしたら私ならこれ





フランク・シナトラが「地上より永遠に」の主演を果たした
有名なエピソードがもとだということですが

まさか、馬の生首とは!
このアイディアには、実に感嘆してしまいます

映画の神様が、この作品の制作にかかわる
すべての関係者にほほ笑んだ奇跡の1作でしょう

今であっても、より多くの方に見てほしいと願います



【解説】allcinemaより
言わずと知れたコッポラの代表作であると同時に、70年代屈指の娯楽映画の傑作。夏の陽射しが眩しいコルレオーネの屋敷。そこで行われている彼の娘コニーの結婚式からこの物語の幕は上がる。華やかな音楽も届かない書斎では、ブラインドが降ろされ、その中でドン・ビトー・コルレオーネが友人たちの頼みごとを聞いていた。彼は相手が貧しく微力であっても助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやっていた。彼への報酬と言えば、ささやかな友情の証と、“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という尊称だけ。そしていつなりとも彼の呼び出しに応じ、恩を返せばよかった。これが彼らの世界であり、その掟であった。そんなある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォが仕事の話を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要とした判断からだった。しかしドンはその話を丁重に断る。彼はドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると鋭く見てとり、その日以来機会を狙っていた。そして早い冬の夕暮れ、一族の経営しているオリーブ・オイル社から出てきたドンは、街頭でソロッツォの手下に襲われた。銃弾を何発もうけたが、強靱な彼は一命をとりとめる。これは、ドンが築いてきた強大なコルレオーネ帝国とその支配力に対する初めての挑戦だった。ソロッツォの背後にはタッタリア・ファミリーがあり、すでにニューヨークの他のファミリーも動きだした。こうして1947年の戦いは始まってゆく……。
 冒頭の圧倒的な実在感で繰り広げられる結婚式のシーン、映画のプロデューサーを脅す為に彼の愛馬の首がベッドから現れるショッキングなシーン、ビトーが果物屋の店先で撃たれるシーン、マイケルが深夜に重体の父が入院中の病院を見舞って警察とグルになった対抗組織の襲撃計画を間一髪でかわすスリリング、マイケルがレストランで対抗組織のボスとそれと結ぶ警部を射殺するまでのくだり、ソニーが有料道路の料金所で蜂の巣になる壮絶なシーン、ラスト近くの洗礼と殺戮の見事なカットバック、緻密な人間描写、そして重厚な人間関係……等々この映画の魅力は語っても語り尽くせない。この映画が製作されたのは70年代だが、PARTIIと併せ、今に至ってもこれを越えるギャング映画はまだない。